不動産は法人で買うべきか、個人で買うべきか?
2016/03/24 投資の考え方
最近、本を出版して以来、コンサルを依頼される機会が増えました。
私の本の読者はすでに1、2棟の物件や区分所有をいくつか買われ、
その先 行き詰まっている方や、
もちろんまだ物件を所有したことのない
不動産投資初心者の方が多いわけですが、
かなりの確率で
「個人で買うより、法人で買い進めた方が良いのでしょうか。」
「法人はどのタイミングで作れば良いのでしょうか。」
という質問が多く寄せられます。
物件を所有するために新規法人を設立する
というのは、
これから圧倒的に資産を増やしていこうと計画している人にとっては
利益を分散して節税する
もしくは
負債を分散させて与信を軽く見せる
という観点で
有効な施策です。
ですので、まずは1棟、という前に
短期間で何億もの融資を引いて
数多くの物件を買っていこうとするには
最初から「1棟1法人」で次々に増やしていくと良い
という考え方も間違いではありません。
しかし、最近の不動産市場においては
いきなり法人で買おうとすると
ブレーキがかかるケースがありますので
お伝えしておきます。
今、物件価格が高騰しており、
利回りの低い物件が出回っています。
利回りが低いということは
収益性が厳しい
ということであり、
そういう物件には金融機関もなかなか融資をしてくれません。
フルローンやオーバーローンはまず無理で、
どうしても自己資金を1割〜2割程度、要求されます。
そんな中、2つのS銀行は、
まだまだオーバーローンや
残存耐用年数を越える期間の融資を
OKしてくれるケースがあります。
ただしその場合、個人で買うことが大前提です。
おそらく、団体信用生命保険を担保するからだと思います。
一方、地銀や信金、メガバンクを使って
法人融資を受けようとすると
どうしても審査に1ヶ月くらいの時間を要します。
この「時間」が命運を分けます。
少しでも良い物件は多くの人が狙っていますから
買付を入れて融資審査を待っている間に
個人融資で最速スピードを誇る両S銀行の関係者に
物件を押さえられてしまうケースが出てきます。
仲介不動産会社としても、お客様から
「法人で買いたい」と言われて
時間をかけて審査をした挙句
自己資金が足りなくて結局融資が下りない
というところまで1ヶ月もかけるより
個人でフットワークの軽い人に
S銀行でスピード審査を受けてくれる人の方が
仮にNGであっても次の人でリカバリーできる
時間的なゆとりもあり
成約に結び付ける可能性が高くなるのです。
このような状況の中、
確かに最初から法人を立てて買うことが理想
とはいえ
いつまでも物件を買えないままでは
一向に不動産投資が始まらない
というのも事実です。
このように
法人で買うことが
そもそも物件が買えない
という大きなリスクになってきているようです。
まずは十分な自己資金を貯めて
最初から法人で買うことを貫くか
それとも自己資金0円のオーバーローンで
まずは個人で1棟所有するか
当事者にしか決められない
厳しい選択が迫られています。
個人でも法人でも
それぞれにリスクはあります。
そこをしっかりと理解して
将来の計画と自己責任に基づいた
賢明な判断がますます重要です。
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