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不動産投資では、いつ法人を作れば良いのですか?

  2015/11/08    よくある質問

法人をつくるべきか、個人で続けるべきか、よく質問があります。

そして「法人をつくるならどのタイミングがよいのかも知りたい」と聞かれます。

ですが、多くの税理士さんをはじめとする専門家の方々は、

「それはこの先自分がどうなりたいか、によります」と答えるのです。

まさにその通り。不動産事業で法人化する上では、

  • サラリーマンの副業として続けるのか、リタイヤを考えているのか
  • どのくらいの規模の物件を持っているのか。
  • 物件を取得したのはいつなのか
  • キャッシュフローは現状いくらで、将来いくらくらいを目標にしているのか
  • この先何年、不動産事業を続けるのか

といったことが明確にならないと、どうしてもアドバイスが一般的なものになってしまいます。素人がそういう”にわか知識”を覚えて行動しようとすると、かえって判断を間違えるリスクが高まります。それよりも、自分がやりたいことを先に決めて、そのためにはどうすればよいか、をプロフェッショナルな人達に尋ねる方がよほど効率が良いと思います。

 

⚫️ 法人設立のメリットNo.1は「節税」

法人を設立すれば節税につながることは間違いありません。

しかし、例えば私の場合、かつて木造アパート、RCマンションを1年に1棟ずつ、3年にわたって取得してきました。どの物件もたまたま9月~12月の時期に購入したので、その年の確定申告では、家賃収入が少ない割りに物件取得にかかる費用(登記費用・不動産取得税等)が嵩み、収支は大きくマイナスになりました。

それを勤務先の給与と「損益通算」をすることで、所得金額が数百万円減り、結果的に80万円くらいの所得税が還付されました。所得金額が減ると、自動的に翌年の住民税も少なくなります。これを3年続けたのです。

こうなると、サラリーマンの副業で、キャッシュフローが年間数百万円程度の物件を持っているならば、数年の間は所得税還付の恩恵を受けられることになりますね。

そこで無理に法人を設立して個人から売却したりすると、個人には譲渡税が売却益の39%もかかりますし、購入した法人ではまた高額な不動産取得税を納めなければならなくなります。このような点をよく理解した上で検討しなければなりません。

それから、よくある情報として、所得税率における個人と法人の違いを比較し、900万円の利益が出るところが法人設立の目安ということも聞きます。しかし、それも一般論です。他に収入が無く、不動産から得られる所得1本で生活されている方と、副業を持っている方、そして家族構成などによって大きく変わってきます。ですので、情報を鵜呑みにせず、専門家によく相談されることをお勧めします。

 

⚫️ 法人の申告はプロフェッショナル

私は不動産投資を始めるときに、「法人設立」などという発想は全く持っていなかったので、必然的に個人から始めました。そして見よう見まねで確定申告のやり方を覚え、PCに青色申告ソフトをダウンロードし、会社の休みを取って平日に青色申告会に並んでアドバイスを受けながら、何とか申告をしてきました。

こうしていくうちに、税務申告に興味を持って、その先も完璧にやりこなしたい、という気持ちが芽生える人は突き進めばよいと思います。しかし、私にはそんな力量はありませんでした。少しでもわからないところがあるとつまずき、間違いがないかどうか、不安に苛まれながら、申告の時期を過ごして来ました。

今は全ての不動産を、1物件1法人で所有し、不動産関係に強い税理士事務所に会計を一任しています。多少の費用はかかりますが、今生み出している利益とキャッシュフローから、申告に消費する手間・労力を考えれば、それもまた必要な経費と受け止められます。

 

⚫️ 規模を大きくするなら早めに法人を

ここまでお話してきて、勝手ながら私の実体験に基づく感想を述べさせていただきます。結論としては、最初から法人で運営していくくらいの規模に拡大する、という目標を持って、できるだけ早く法人をつくっていくことをお勧めします。規模が大きくなれば、節税や融資の面で法人の方が有利なのですから、今の規模がどうこう言うのではなく、いち早くその規模に持っていくんだ、という気概を持って取り組んでいただきたいですね。

そして、法人を設立するにあたり、また未知の分野の見識と人脈が広がります。そういう中で一つ一つ学びながら、細かいシナリオを調整していくのが良いと思います。

 

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