不動産投資判断には「返済比率」にフォーカスせよ!
2015/09/02 投資の考え方
収益物件を購入する時、「利回り」よりも「借り入れ金利」よりも、ずっと意識するべき重要なポイントがあります。
それは
「返済比率」
です。
返済比率とは、
家賃収入におけるローン返済額の割合
を言います。
この返済比率が低ければ低いほど、賃貸経営はラクになり、多少の空室や修繕費が嵩んでも、ローン返済に対する不安が少なくて済みます。
逆に、返済比率が高いと、空室が出たり思わぬ修繕費がかかったりすると、家賃収入では返済ができなくなり、自分で身銭を切って支払わなければならなくなります。
ではそのとっても重要な「返済比率」について、もう少し詳しく解説しましょう。
例えば1億円の物件で利回り10%、年間家賃収入が1,0000万円物件を購入するのに、フルローンで1億円の融資を受けたとします。
家賃収入1,000万円に対し、
借り入れ金利が4.5%で融資期間が30年だった場合、
年間返済額は約608万円。
608万円/1,000万円 = 60.8%
が、返済比率となります。
返済比率が60%であれば、あと40%の余力がありますので、そこから管理費や修繕費、税金等を支払っても、少しは手残りがあるでしょう。
では同じく家賃収入1,000万円に対し、
借り入れ金利が4.5%で融資期間が35年の場合には
年間返済額は約568万円。
568万円/1,0000万円 = 56.8%
このくらいの返済比率になれば、まず大きな不安は払拭されます。
次に、また同じく家賃収入1,000万円で、
借り入れ金利が2.0%で融資期間が15年だった場合、
年間返済額は772万円。
772万円/1,000万円 = 77.2%
こうなってしまうと、収入の7〜8割を返済に当てていることになり、
1部屋でも空室が出ると、あっという間に赤字に転落する危険をはらんでいます。
つまりたとえ金利が低くても、借り入れ期間が短いと、年間返済額は大きくなり、
家賃収入に占める返済額の割合(=返済比率)が高くなります。
そして結果的に空室や修繕に対応しきれなくなる
ということになるのです。
ですので、
借り入れ期間はできるだけ長く取れる方が、
不動産投資には有利です。
今は物件価格が高騰し、なかなか良い条件で融資をひくことが難しくなっているとは思います。
本来ならば返済比率は
50%以下 が望ましく
45%以下 ならラッキー
40%以下 であれば楽勝
となりますが、フルローンやオーバーローンでこの数値になることはほとんどないでしょう。
また、
70%以上なら 考え直した方がよい
と思います。
こんな市況だからこそ、
金利が低くないとダメ
などと思わずに、
借り入れ期間を伸ばしてもらえるかどうか
にも着目してください。
返済期間が長くなる
=返済額が安くなる
=返済比率が低くなる
となりますので、
結果的に物件の収支が良くなるのです。
ここまででおわかりのように、
物件の収益性をみる場合には「利回り」や「金利」そのものを見ていても
あまり正しい判断にはなりません。
借り入れ金利と融資期間を把握し、
きちんと年間返済額を算出した上で
「返済比率」を見る。
これが最も重要な判断材料となるのです。