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賃貸営業のエキスパートが明かす、最近の入居者傾向

  2015/09/12    業界裏ばなし

先日、不動産賃貸の専門サイト“SUUMO”を運営する㈱リクルートのマネージャーさんにお話を伺うことができました。

部屋を借りようとする人が、どんな風に物件を探し、何を使って情報を得て、どんな訴求を見て興味を示しているのか、最近の傾向をレビューします。

 

1店舗目の不動産屋で物件を決める人が多い。

部屋を借りたいと思う人は、まずネットで物件を調べ、興味を持った部屋を確認する目的で仲介業者の店舗を訪ねます。

一人あたりの来店数は、3年前に2.6店舗だったものが、昨年は1.7店舗に減少。

1店舗だけで決める」と答えた人は50%で、実際に部屋を決めた人に後から聞いたアンケートでは、実に59.4%の人が、1店舗しか行っていないそうです。

あっちもこっちも見比べるのではなく、まずネット情報から候補を絞り、実際に店舗を訪ねた時は現場確認をする程度で、決めるまでの時間が短くなっている傾向があります。

それだけ店舗でのコミュニケーション力が大事、ということですね。

 

スマホへのシフト

ネットで調べるとき、パソコンが当り前だった時代は終わり、スマートフォンを使っている人が31%で、前年の2倍になっています。

SUUMOに限っていえば、7割以上がスマホを使用しているそうです。

現在、日本のスマホ普及率は36%で、10代・20代ではPCユーザーよりもスマホ利用者の方が多いそうです。これからは40代・50代がスマホのメーカーにとっての切替ターゲットとなることが容易に予想され、そういった年齢層にも使いやすい機器が出てくることでしょう。

今でも既に地図アプリ連動機能が普及しており、仲介業者が案内しなくてもユーザーが直接自分で観に行かれるケースも増えています。

 

動画の活用

物件の外観・内装を把握するためには写真がつきものですが、今では「内覧動画」が当り前になりつつあります。ドアを開けて、自分が部屋に入って歩く感覚で、間取りや設備を理解することができます。説明員の声が入っている動画もあり、まるで本当に内見をしているかのような臨場感です。

広告を作る側も、凝った写真を載せるより、普段通りの感覚で動画を撮った方が、より自然で説得力があり、簡単なのかもしれません。ネットを見て問い合わせに来たお客様から「イメージが写真と違う」とクレームを受けることが多いらしく、動画であればそんな反応もぐっと少なくなると思われます。

かつて私も木造アパートを所有している頃、仲介業者の方が好意で私の物件の内覧動画を撮ってアップしてくれましたが、とてもわかりやすくて感心しました。そしてもちろんその部屋は間もなく入居者が決まったのです。

今は動画広告市場が急拡大していますので、単なる録画ではなく、家賃や設備、環境などが字幕で現れたりする日もそう遠くないかもしれませんね。

 

以上をまとめると、最近のお客様は、

スマホで物件を探し、

動画で内容を理解し、

確認の意で訪れた1店舗目

住む部屋を決める

という傾向にあるようです。

 

これからの不動産オーナーは、このような志向の内見者に対し、自分の物件をうまくPRするためにどんな手を打つべきか、仲介業者さんと一緒に対策を練ることが必要ですね。

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