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不動産の融資で「借換」を狙うなら、やる気を見せない方がいい

金融機関から高い金利で融資を引いて物件を購入し、後から金利の低い他の金融機関に借換える、というスキームを目指す不動産投資家がたくさんいます。

金利を下げてもらえれば、月々の返済額が少なくなるため、それだけキャッシュフロー(利益)が増えるからです。低金利での融資は、いわば全ての不動産投資家が求めることになります。

私はかつて、

金利4.5%で借りていた3億円近くの融資を、

地銀で1.2%に借換えました。

 

しかし、これを実現するまでには相当の紆余曲折、悩み、落ち込みを経験しました。

 

はじめに訪問した銀行は、紹介してくれた不動産会社さんから「お墨付き」のところで、まず先方も喜んで借換えてくれるでしょう、というくらいの明るい見立てでした。

そこで私は、その銀行に気に行ってもらうため、猛烈なアピールをしたのです。

熱い言葉その1

「こらからもどんどん買い進めて事業を大きくしていきます!」

熱い言葉その2

「不動産投資に人生を掛けています!」

熱い言葉その3

「借換えてくれたら貴行をメインバンクにします!」

これで気持ちが充分伝わったと、やりきった気持ちで返事を待つこと、2ヶ月。

結果は予想に反して全く逆の答えが返ってきました。

回答その1

「現在の所有物件はリスクが大き過ぎます」

回答その2

「サラリーマンなのに融資額が大き過ぎます」

回答その3

「せめてあと5千万円くらい返済が終わってから来て下さい」

そもそも2ヶ月も返事を待たせる、という時点で、銀行が後ろ向きであることがわかります。
(当時は気づきませんでしたが)

そして、これらの回答から想定できる

銀行の立場で物事を考えてみると、

専門家でもない人が、そんなに多くの不動産を買って大丈夫なのだろうか
本業が疎かになってしまうのではないだろうか
ちゃんと返済できるのだろうか

つまり「リスク」についてどれだけクリアできるのか、というの視点で見ます。

ですので、

一生懸命やっている

とか

規模を拡大したい

などということには全く興味がないのです。

そのことに気づくまで、あと何行かで失敗を繰り返しました。
そしてようやく戦法を変える必要があることがわかり、最後にトライした地銀では、差全く逆の姿勢を見せることにしました。

姿勢その1

「私は空いた時間で不動産事業を営んでいます」

姿勢その2

「所有物件はほぼ満室稼働で、安定した利益を生み出しています」

姿勢その3

「借換は、返済力を高めるために必要なことです」

この最後の

返済力を高める

ということが、銀行が最も安心・納得するアピールポイントでした。

そして借換が成功し、結果的に年間265万円ものキャッシュフローが改善しました。
これは1億円くらいの物件を新規に購入したのと同じくらいの効果です。

銀行によって考え方・求められる姿勢は異なってくると思いますが、

基本は相手の視点で

「自分に何を求めているのか」

をよく考え、
出来る限り数字を使ってロジカルに伝えることが肝心なのです。

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