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シニア夫婦の「ハッピー別居」が流行っている?

  2015/12/13    業界裏ばなし

不動産賃貸業において、老夫婦をターゲットユーザーにする物件は多数存在します。

その場合、段差がないバリアフリーなどの安全面はもちろん、

間取りもご夫婦での生活空間をイメージして企画され、特徴出しをします。

 

ご夫婦が入居してくれれば、単身世帯と違って退去の機会も少なくなるだろうから

安定した家賃収入が入ってくる可能性が高まる、と言われています。

 

ところが、2015年12月7日付の全国賃貸住宅新聞に掲載されたリクルートSUUMOによるマーケットレポートに、大変興味深い記事が掲載されていました。

 

新しいスタイル「ハッピー別居」

夫婦がそれぞれ好きなコミュニティに属し、常時同じ住まいに暮らさなくてもいいという考え方を「ハッピー別居」といいます。この考えに賛成しますか?

この質問に、36%がYESと答えていることがわかりました。

性別では女性の賛成が38%と高く、世代では60代が42%と半数にも届く勢いです。

 

シニア女性が高い理由は

「この年になってまで夫の世話はしたくない」

がトップ。

 

別の設問で、欲しい共用施設を聞くと

レストラン

がベスト3に入っていますが、これは夫に対する「食事の支度」へのアンチテーゼと言えるかもしれません。

 

奥様方はずっと我慢してきたのかなー

と考えてしまいます。

 

一方、男性陣で賛成する理由は、

「妻の小言を聞くより好きな仲間たちと過ごした方が楽」

 

という気持ちがあるようです。

 

まぁ、お互いに言い分はあるようですが、とても興味深いポイントは

決して離婚して別居しようというほどではなく、

夫婦関係は維持したまま、別々に暮らしたい

と思っていることですね。

 

別居から、何かが起こる?

そこに単身世帯のニーズが掘り起こされ、新たなライフスタイルが生まれてきます。

事実、大規模なアクティブシニアマンションではカップルが誕生しているようで、米国のシニアレジデンスでは開設以来、数年で3〜4組の結婚式が行われたそうです。

うーん、侮れないぞ、人生の先輩たち。

 

シニア世代の「恋愛意向」についても調査結果があり、

賛成の男性は58%女性は約33%

男性の積極さが色濃く出ましたが、女性も決して少なくない比率です。

そしてこれは、50代と70代でも同様でした。

 

夫婦で意見が食い違うポイント

この別居希望にはもうひとつの背景があり、それはシニア期における男女での移住先の意識差です。

男性は田舎暮らしを好み、女性は都会暮らしを求める傾向があります。

必ずしもパートナーの意向に合わせるのではなく、お互いを尊重して普段は別々に過ごし、月に1〜2回程度会うという暮らしが、今後のシニア層に広がっていくのかもしれません。

 

新たなライフスタイルが生まれる

今の自分では全く想像もつかない夫婦像ですが、こういう傾向がある、ということは、賃貸業を営む立場として知っておくべき時代の流れですね。

 

シニア層が元気になり、自己実現のステージをさらに模索しながら自分の人生を楽しむ。

それはある意味、オーナーの社会貢献にもつながります。

そんな新しい価値感を受け入れつつ、新しいターゲットニーズに備えることも大切です。

 

桜木不動産投資塾

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