これからの賃貸マーケット分析と「家賃」への対処
2015/09/13 投資の考え方
日本の総人口は2050年までに3300万人が減少すると言われています。
東京圏は今以上に「超高齢化」になり、なんと
4人に1人が60歳以上
になるそうです。
そんなにー?
と思ったりしますが、冷静に考えると、あと10年ちょっとすれば私も60歳以上になり、高齢化の一端を担う世代になるわけですから、とても他人事ではありません。
高齢化になると、お金を生み出す労働人口の数が少なくなり、逆に福祉や年金などお金をもらう人の人数が増えてくるので、若い人が税金をたくさん支払っていかないと老人を支えられない社会になります。
ではこういった将来の超高齢化を背景に、賃貸マーケットはどうなっていくのか、という点について㈱リクルート社が分析された内容についてご紹介します。
1.住宅着工数は増加し、空室が増える。
高齢者が多くなってくると、相続税対策のためにアパマンを建て、現金を不動産に変える人が増えます。
建設会社は当然、仕事が増えるので大歓迎。
結果として需要に対し供給過多になり、空室が増えることになります。
2.空室が増えると、募集条件がゆるーくなる。
必ずしも高齢化だけが原因ではありませんが、空室が多くなってくるエリアは、それだけ競合が増えるわけですから、入居者に選択されやすいようにサービスが良くなります。
その最も代表的で手をつけやすいのが
礼金・敷金
礼金ゼロ率は、東京23区外は引き続き上昇中です。
敷金ゼロ率は、神奈川・千葉・埼玉の場合、
2009年に10%だったものが
2014年では30%にもなっているそうです。
3.東京都の平均賃料は回復傾向
2009年のリーマンショック後からずっと減少が続いていた東京都の家賃相場は、2014年の年始より回復してきているようです。これもアベノミクスの一つの効果なのでしょうか。
このエリアに住みたい、という人が多くなれば家賃は下がらず、
このエリアは家賃が高いからできるだけ安い部屋がいい、もしくは隣りの県でいいや、
と思う人が多くれなれば、相場家賃も下がっていくのでしょう。
しかしまだまだ都内は根強い人気と需要が底堅い、ということです。
でも、私は東京都江戸川区にファミリータイプのマンション1棟(15戸)を所有していますが、昨年は1つの空室が7ヶ月も埋まらず、家賃を5千円下げてようやく決まった、という苦労をしました。更に来月はまた1室退去が決まっており、果たして家賃を下げずに埋めることができるのか心配です。
オーナーにとって、家賃の値下げは最後の手段。
その前に、
礼金をゼロにする。
敷金をゼロにする。
不動産会社に支払う広告費を増やす。
入居者が負担する初期費用をオーナー負担にする。
フリーレント(=一定期間の家賃無料)をつける。
これら単発のサービスを全て検討・実施した後、どうしても空室が埋まらない場合には、
家賃を下げるしかありません。
管理会社にとっては家賃を下げてくれるのが一番営業トークがしやすいと言われています。
高いと言われて他の会社の管理物件に行かれるよりも、なるべく今、検討しているこの物件に決めて欲しい時、「今なら家賃を◯◯円安くしますよ」というのは確かに殺し文句かもしれませんね。
でも家賃を5千円下げると、オーナーにとっては1年で6万円、2年で12万円の収入が減るのです。長く住んでもらえそうな物件の場合には、1ヶ月の家賃を下げるとそれが退去するまでずーっと影響します。しかも他の部屋もそれにつられてどんどん値段が下がっていくようになります。
ですので、空室を埋めたい時には、できるだけ家賃を下げずに入居者を決めてもらえるよう、管理会社さんにしっかりと理解してもらい、他の面でバックアップすることに注力されることをお勧めします。