不動産事業で金融機関から融資を受ける際の心構え
不動産事業を始めるとき(=物件を購入する時)は
ほとんどの場合において、金融機関から融資を受けることになります。
特に自己資金が少ない、またはゼロである人にとっては
融資がなくては手も足も出ませんね。
別の言い方をすれば、融資さえ受けられれば
誰でもカンタンに始められるのが、不動産事業です。
しかし「融資を受ける」というのはカンタンにいかない
ケースが多いです。
では、金融機関(=銀行)はどんな考え方で
不動産経営者を見ているのか
という点についてお話しします。
まず、(銀行は)お金を貸したい、と思っている。
そりゃ、そうです。銀行はお金を貸すのが仕事ですから
売上=貸し付け額
なのです。
いつでも営業ノルマ(今月の貸し付け目標)がありますし、
お金を借りてくれる人は「お客様」ですので
「誰か借りてくれる人、いないかなー」と探しながら
日々を過ごしています(実話)。
次に(銀行は)お金を貸す人がきちんと返せるか、慎重に判断する。
これも当然です。お金を貸した後、返せるかどうかで
融資の額が決まります。
「貸したお金を返せるかどうか」を計る指標としては、
年収
勤務先
自己資金・資産(株など)
買おうとしている物件の価値
などがあります。
これらのどれも条件を満たしている人もいますが、
少なくとも2つ以上クリアできれば、
かなり融資を受けられる可能性が
出て来ます。
ですから、不動産事業を始めたい、と思う人は、
自分は「必ずお金を返せる人だ」
ということを
説明できる資料を準備する必要があります。
上記の指標を証明できる資料です。
その準備ができたら、
勇気を持って銀行へ行ってみることをお奨めします。
銀行は想像しているよりも冷たくないし、
融資を願い出る、という初めての経験をすることで、
いろいろな新しい発見もあります。
行動しなければ何も始まりません。
でも行動さえすれば必ず一歩前に進むことができるのです。
それが不動産事業の第一歩です。
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不動産事業を「投資」と呼びたくない理由
自分のお金を何かに預けて、それを殖やしてもっと大きなお金を
手に入れることを「投資」といいますが、その投資対象が
土地やマンションなどの不動産である場合、それを
「不動産投資」
と呼びます。
何とまあ回りくどい言い方をしてみましたが、
不動産投資は他の投資とは大きな違いがありますので
あえてこういう表現から始めます。
例えば自分のお金が100万円あって、
それで株や債権を買うと、
その時の価値は100万円ですよね。
でも、不動産の場合、100万円持っている人が
現金で100万円の物件を購入することはほとんどありません。
100万円持っていても、1,000万円の物件を
買えたり、もっと高額な物件を購入することができます。
極論すると、1円も持っていなくても、何千万もの物件を
購入できるケースもたくさんあります。
それはなぜか。
そう、銀行(正しくは金融機関)がお金を貸してくれるからです。
なぜ、銀行は不動産を買う人にお金を貸してくれるのでしょうか。
それは、物件自体が「担保」になるからです。
つまり、もしもその人がお金を返せなくなった場合、
担保になっている土地と建物を取り上げて売却すれば、
大体貸した分の金額くらいは回収できるから、
と踏んでいるからです。
そしてもう一つ、不動産投資で特徴的なことは、
所有している間、空室が出ないように工夫したり、
建物をキレイに保って物件の価値が下がらないように
する努力が必要になります。
つまり、
不動産投資は「投資」というより「事業」なのです。
銀行も、投資をする人になどお金を貸してくれる筈もなく、
不動産経営をする人に、
事業資金
としてお金を貸してくれるのです。
銀行の目線からは、普通にお店を出して商売する人にお金を貸す場合、
万が一その事業が失敗したら資金がゼロになって返してもらえなくなる
リスクがあるけれど、
不動産賃貸業の場合は、まず倒産することはないし、
いざという時には担保があるからよほど安全だ、
という考え方を持った銀行員も存在します。
(私を担当してくれている地銀の支店長の言葉です)
ですので、不動産で「月収」を得ようとする人は、
単に銀行からお金を貸してもらえば自動的に増えていく
などという「投資の概念」は捨て、
基本的に「賃貸業を営む」という
覚悟を持って臨むことをお奨めします。
「安く買って高く売る」という投資スタイルをお望みの方は、
本当の「投資家」となるべく
たくさんの資金を用意された方が良いと思いますし、
その場合には「月収」という考えは
当てはまりません。
不動産経営とは、入居者というお客さんがいて、
仲介業者、管理会社、設備業者、保険会社など、
たくさんのビジネスパートナーとともに運営する
れっきとした事業なのです。
だから私は、自分の活動を「不動産投資」ではなく、
「不動産賃貸業」もしくは「不動産経営」と呼ぶようにしています。
(タイトルは「不動産投資」の方がキャッチーなので、時々使っています)
銀行からお金を借りて事業を営む。
まずはそのマインドセットから始めましょう。
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