人気のある間取りと空室率の関係
2015/09/14 物件の選び方
不動産賃貸募集サイト“SUUMO”を運営する㈱リクルート社が発表したデータによると、
最近の傾向として、埼玉・千葉ではシングル世帯向けの空室が減り、カップル・ファミリー物件の空室が増えてきているそうです。単身者が都内ではなく近県にやや広めの住まいを求め、カップルやファミリー世帯は需要に比べて物件の供給が過多になっている、ということですね。
まぁ、だからといって、いきなり自分の物件が単身者向けだと満室になり、ファミリータイプだと空室が出るのか、というと、そんなことにはなりませんよね。こういう情報はあくまでも「統計」ですので、結局は自分の所有物件は個別に対策を立てていくしかありません。
でも、その対策を検討したり、そもそも物件を購入する際には、あくまでも「傾向」として気に留めておくことができるとよいと思います。
とかく自分の偏見や先入観を持ってしまいがちな不動産投資では、このような客観的データを時々参考にしながら、考え方をブラッシュアップしていけばよいのです。
それでは他にも面白いデータを紹介しましょう。
a) 洋室6畳にバス・トイレが一緒の3点ユニット
b) 洋室4.5畳にバス・トイレ別
という2つの物件があった場合、a)の3点ユニットであっても「6畳」の方が人気があるそうです。
今はすっかり3点ユニットが敬遠されているデータをよく見かけますが、狭くてもバス・トイレ別が良いのかというとそうでもなく、3点ユニットでも部屋が広い方が住みやすいと思う人が多いということですね。
しかし、
c)洋室6畳にバス・トイレ別
d) 洋室7.5畳にバス・トイレが一緒の3点ユニット
となると、c)の方が人気が高くなります。
つまり、6畳間の広さを確保できれば、後はできるだけバス・トイレは別々の方が良い、という優先順位になっています。単身者は6畳間をスタンダードとしているのかもしれません。
また、3DKまたは3LDKのファミリー物件で
e) 3部屋のうち1部屋が和室
f) 3部屋とも洋室
では、f)の全ての部屋が洋室の方に軍配が挙がります。
私は個人的に和室が好きで、自宅も1部屋だけあえて和室を設けていますが、残念ながら和室はあまり人気がないようですね。これは客付けのプロである管理会社の方も言っていました。
いずれにしろデータはあくまでも傾向にしか過ぎません。その物件の環境や家賃、設備によってももちろん変わっていきますので注意が必要です。
私の東京都清瀬市の物件は1K×40室で、広さ16㎡に3点ユニット、駅から徒歩18分という一般的には厳しい立地条件です。3点ユニットで狭い部屋なので、空室が出た後はどうやって訴求していこうかと不安にもなりましたが、この2年間、客付けの管理会社が非常に優秀で、これまで2ヶ月以上空室になったことがありません。
近くにコンビニがあることが思いのほか人気が高かったり、駅近の物件よりも安めに設定した家賃がニーズにマッチしたようです。
要するに、「間取りがこうだから空室がなかなか埋まらない」というのはちょっと厳しい言い方をするとセールス力がないことの「言い訳」で、その先の対策を諦めてしまう危険な発想です。
データはあくまでも参考値であり、自分の物件を満室にするためには自分の目でしっかり確認し、エキスパートとよく相談して対策を打つことが肝心です。