不動産事業について銀行の支店長に聞く『会社を辞めたら融資してもえないのですか』
2015/09/05 業界裏ばなし
金融機関から融資をしてもらうとき、その審査のために重要な項目は主に3つあります。
1. 勤務先
2. 年収
3. 自己資金
この3つがどれも高いレベルにある方は、融資では非常に有利になります。
例えば
①上場企業に勤務
②年収3,000万円
③自己資金5,000万円
などの場合には、物件も選び放題、融資審査も大抵の場合ほぼ通ると思われます。
しかし、このような人はなかなかいませんし、そもそもそういう人は不動産投資などしなくても充分豊かな生活を送っているのでは、と思うのです。
実際、不動産会社の方からお話を伺うと、そのような投資家は100人に1人くらいしかいないそうです。100人に1人「も」いるんだー、と羨ましく思いますが。。。
現実的には、「勤務先」「年収」「自己資金」のうち、1つか2つをギリギリクリアするレベルの人が最も多いはずです。
3つとも適さない場合はかなり難しいようですが、1つか2つの項目が条件を満たしていれば、そこから融資対象となる物件の収益性や仲介不動産会社の進め方等により、何とか融資をしてもらうことが可能です。私はずっとそうしてきました。
具体的には
①一般企業
②年収700万円
③自己資金 数百万円
といったところでしょうか。
私は特に自己資金がほぼゼロで、
いつもこれで苦労しています。(涙)
そんな状況の中、先日 お世話になっている地銀の支店長と面談する機会があったので、思い切って聞き難いことを聞いてみました。
「もし私が今の勤務先を辞めたら、もう融資はしてもらえないのですか?」
すると、支店長は意外にもキッパリ答えてくれました。
「いや、既に我々はあなたをサラリーマンとしてではなく、不動産事業者として見ていますので、お持ちの物件の収支と返済履歴、そしてこれからの物件の収益性次第になりますね」
さらに
「ご勤務先については、前回融資をさせていただいた際に定年退職金まで計算し、たとえそれが早まっても当行のリスクはないようにシミュレーションしてあります」
とおっしゃるのです。銀行としては、
一旦融資したものについては様々な角度からリスク回避をしていて、そこに絶大な自信を持っているようでした。不動産の融資はそもそも物件自体を担保に取っているので、それもそうかもしれません。
会社を辞めたらもう融資はしてもらえないかと思い込んでいましたし、多くの人がそう言っていたことを聞いていたのですが、地銀の支店長に直接聞いた話では、今は勤務先よりも物件の収益性の方が重要なようでした。
もちろん1棟目を購入する時には「勤務先」が重要な審査項目であることは間違いないのですが、ある程度物件を所有したら、次は勤務先よりも、
経営実績と返済力
をしっかりと実証していくことの方が大切、ということですね。
それから今は自己資金として、現金を持っていることの方が、土地を持っているよりもさらに、銀行には好印象を持たれるそうです。
銀行によっても考え方が異なるかもしれませんが、とにかく
「思い込み」は禁物
です。