銀行の支店長に聞く!『なぜ自宅を共同担保にとるのか』
今日、私お世話になっている地銀の支店長さんを久しぶりに訪ねました。
もう合計7億円も借りているので、銀行側として会う理由がないかな、とは思いましたが、所有法人が決算を迎えるため、期末の残高証明書を窓口で受け取るついでに、アポを取って面談してもらったのです。
支店長は相変わらずバリバリ仕事をされている印象で、不動産事業にも前向きに支援する姿勢を感じさせながらの雑談が始まりました。
私は
今持っている物件が順調に経営できていること
や、
来年度の収支予定などを簡単にまとめた資料
を見せて、
真面目に賃貸経営に取り組んでいる印象
を持ってもらうように務めました。
そして、半年前に2億円を融資してもらったときから気になることがあったので、この貴重な機会に聞いてみようと思い、勇気を持ってズバリ、お尋ねしてみたのです。
質問1.前回の融資の時、自宅を共同担保に差し出すことが条件だったが、この真意は何ですか。
自宅は他のメガバンクで住宅ローンを借りています。当然既にそのローンの担保になっているため、この地銀にとっては担保価値が無いはず。それなのになぜ共担に入れることが融資の条件だったのか、聞きたかったのです。
支店長の答え
「銀行とあなたとの信頼関係を確認することが本旨です。金額の価値はほとんど関係ありません。自宅を担保に差し出してまで今回の不動産賃貸業を確立させたい、という覚悟の証明みたいなものですね。」
なるほどそういうことですか。それなら第二抵当権でも問題ないのですね。でもそうしたら別の不安が涌いてきます。
質問2.自宅が共担に入れられていると、次に他の銀行から借りにくくなってしまうのでは?
これは多くの投資家仲間から指摘されたことでもあります。何だか人質を取られているようで、他に融資をしてもらえなくする「嫌がらせ」のようなもの、と言う方もいらっしゃいました。
支店長の答え
「自宅を共担に入れているから融資をしない、と考える銀行はほとんどないでしょう。それよりも今度買おうとする物件の価値の方がよほど融資額に影響します。
自宅が共担に入っていること自体より、銀行間での金額のバランスの方を気にするそうです。他行よりも高額の融資をしようとするならば、自宅の担保が気になり始めるのだそうです。
ということで、自宅を共担に取られたらもう他の銀行で融資をしてもらえないのかと思っていましたが、そんな心配は要らないようでした。支店長のお話は、「逆にこちらが他行で自宅を共担に入れた人から融資を依頼された場合」という観点でいただいたので、わりとフェアなご意見なのでは、と思った次第です。
自宅が共担に入っているとか、総融資額の合計がいくらとか、そんなことよりもはるかに
これから購入する物件の価値
が重要だそうです。
そして今、
銀行にとって一番歓迎されるのは
現金を持っていること
だそうです。
1億円の土地を持っている人より、8千万円の現金を持っている人
の方が有利なのだそうです。
銀行の考え方・方針は時々変わる、と言われていますが、少なくとも今(2015年9月)の時点では、こちらの地銀ではそのような考え方であることを確認できました。
これからは
物件単体での担保価値と収益性
を、更に厳しく見ていく必要がありそうです。