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物件売却時、売価と利益をどう考えるか? その1

  2015/10/27    投資の考え方

「出口戦略」という言葉があります。

不動産投資は買って終わり、というだけでなく、売却して初めて利益が確定することは周知の事実。

業界用語では、

家賃収入で得られる「インカムゲイン」ともう一つ

売却時の利益「キャピタルゲイン

が重要と言われています。

 

では、ここで質問。

「売却時の利益」って何ですか?

買った時の金額と売った時の金額の差額?

それだけで、本当に「いくら儲かったのか」がわかるのでしょうか。

 

不動産投資家の皆さんなら、

物件の取得時にいろいろな税金や手数料がかかることをご存知ですよね?

 

では、真の「出口戦略」とは、いったいどんな指標を用いるべきなのか、

私の考え方を述べます。

案1:買った時の価格と、売った時の価格の差分で考える

例えば5,000万円で買ったものを5,300万円で売れば、

5,300万円−5,000万円=300万円の利益

という考え方。

これは最もシンプルで、ご自身の実績を語る人からよくこんな話を聞きます。

「去年5,000万円で買ったアパートが5,300万円で売れちゃってさぁ、300万円儲かったよ。」

このセリフの中で、本当に300万円儲かったのかどうかは疑問です。

なぜなら、購入時には物件価格×3%+6万円の仲介手数料を支払ったかもしれないし、売却時にも同じく仲介手数料を支払うケースが多いからです。

 

1.仲介手数料はいくらだったか

仲介手数料は、物件価格×3%+6万円かかるのが普通です。

5,000万円の物件を買うときは、5,000万円×3%+6万円=156万円
5,300万円で物件を売る時には、5,300万円×3%+6万円=165万円となります。

従って、買う時も売る時も手数料がかかるなら、156万円+165万円=321万円を不動産会社へ支払うことになります。

 

2.不動産取得税を納めている

更に購入時には、必ず不動産取得税を納めています。

不動産取得税の税額は土地と建物によって大きく違いがあるので一概には言えませんが、ざっくり100万円だったとします。

そうすると、購入時には

5,000万円+156万円+100万円=5,256万円

を支払っている筈です。

その物件を売却時に5,300万円で売れば、165万円の仲介手数料が経費としてかかっていることになるので

5,300万円−165万円=5,135万円が手残りになります。

※計算を簡単にするために、他の諸経費(抵当権設定費等)は考えないことにします。

 

3.まとめ

ここまでの話をまとめると

5,000万円で買った物件

5,300万円で売ったとしても、それは

5,256万円かかって手に入れた物件を、

5,135万円で手放した

と同じことになります。

これをもとに再計算すると、

5,135万円—5,256万円=121万円の赤字

となりました。

 

逆に、5,256万円かかって手に入れた物件を、売る時にプラスマイナスゼロにするには、

売却価格が最低でも5,425万円であることが必要です。

 

念のため検算すると、

5,425万円の仲介手数料(3%+6万円)=169万円

5,425万円−169万円=5,256万円(手残り)

ほら。ですので、

5,000万円で購入した物件は、5,425万円で売って、やっと利益0円なのです。

シンプルに「現金で売り買い」した場合には、恐らくこのケースに当てはまると思います。

しかし、ほとんどの方は融資を使って物件を買っているでしょうから、必ずしもこの考え方が正しいとは限らないのです。

 

融資を引いて購入した場合の出口(売却時の利益確定)については、

明日またお話しします。

 

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