一括借り上げ契約の落とし穴とは?
2016/06/23 誰にも聞けない基本知識
最近は利回りが低い物件ばかりが目に付くようになりましたが、
一方で
「一括借り上げ契約」
という
いかにもオーナーのリスクを軽減するような
印象を与えてしまう言葉を
耳にする機会が増えましたので、
少し疑い深い感覚で、
お話ししたいと思います。
「一括借り上げ」とは別名「サブリース」のことで、
管理会社が丸ごと物件を借り上げてしまい、
オーナーには毎月決まった家賃を入れる仕組みです。
空室が出ても気にすることなく、
オーナーはただ銀行に振り込まれる家賃をチェックするだけ。
何もやることがない、素晴らしい仕組みに思えます。
ところが、この「決まった家賃」というのが落とし穴。
管理会社としては、当然、空室がすぐに埋まるような家賃で入居者を募り、
そのうち何%かのマージンを抜いて、オーナーに支払います。
時々退去があるでしょうから、その際のマイナス分や
仲介手数料・広告費を見越しての手数料を引かれていると
思った方がいいです。
つまり、普通に貸すときよりも収入は少なくなります。
「30年間の家賃保証」という広告文を目にすることもありますが、
これもまた曲者です。
30年も家賃が一定のはずがありません。
古くなったり、市場動向によっては、
2年ごとに家賃の見直しをさせられて
「この金額じゃないと埋まらない」
などと言われるようになります。
家賃の「金額」を保証するのではなく、
「満室」を保証するだけですので
一旦退去された後は、
必ず入居者がつく、安い家賃設定を勧められるわけです。
そして、
どんどん収入が少なくなります。
さらに大抵の場合、物件の価値を維持する、という名目で
定期メンテナンスを義務付けられることがあります。
自分で状態を確認することもなく
業者も選べず、
管理会社の言われるがままに
修繕をさせられる、ということです。
しまった、と思って契約解除しようとしても
「一括借り上げ契約」をしている管理会社は
オーナーにとって「借主」になるため
法律上、手厚い保護を受ける立場にあります。
つまり、オーナーの都合で勝手に契約解除できない
ようになっているのです。
こうなってくると、もはや管理会社の思うツボですね。
利回りなどは関係なく、
安い家賃で入居者をつけ
しっかりとマージンを取り、
時期が来ればリフォームやメンテナンスの仕事も請け負える。
管理会社側にとってはなかなか上手いビジネスモデルです。
オーナーにとっては
まぁ、楽して賃貸業をしようとするのですから
それなりの出費や収入減は覚悟しないといけない、ということですね。
きちんと収入を得たいなら、
一括借り上げなどはせずに
地道に満室にする手段を講じることをオススメします。
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