物件売却時、売価と利益をどう考えるか? 最終回
2015/10/30 投資の考え方
収益不動産の「出口戦略」について、物件売却時の価格設定と利益確定をテーマで私の考察をお伝えし、今日で4日目・最終回となりました。
ちまたでよく耳にする
「◯◯円で買った物件を◯◯円で売った。だから◯◯円儲かった」
ということの真実を探ります。
ここでもう一度、売却時の利益の考え方について、これまでの考え方をおさらいしておきます。
案1:買った時の価格と、売った時の価格の差分で考える
単に購入価格と売買価格の差分が利益になる、という考え方。これは現金の売買時には通用しますが、実際には売買には仲介手数料を伴うため、この他に何百万円という支払いがある筈。
従って収益不動産の売買としては現実味がないのでは、との私見です。
本文はこちら。
案2.売却時の残債をリセットする、という目的で考える
収益不動産のほとんどは融資を受けて物件を購入しているので、売却時には残債をゼロにする、という考えに基づくケース。実際、
売却価格から仲介手数料を引き、残債を全て返したあとに残ったお金
が手元に残るわけですから、これを「利益」とする見方ですね。
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案3.所有期間中のキャッシュフロー(インカムゲイン)と合わせて考える
残債をベースにいくら残ったか、もしくは残らなかったか、ということだけでは、長年の投資の成果を図ることはできません。家賃収入でローン返済し続けることのできる収益不動産では、収益物件から上がるキャッシュフローも投資の成果と言えます。したがって、
売買益(キャピタルゲイン)+月々の利益(インカムゲイン)
で利益をはかる、という考え方です。
本文はこちら。
さて、そして今回はいよいよ考察の最終回。
ここまでの3案も決して間違いではないですし、人によって捉え方も異なるので、どれを選べば正解ということもないと思います。この考え方を参考に、それぞれで一番納得できる方法を採用いただければ本望です。
●私の結論(案4)
売却時の利益を確定するには、売却価格から
残債をリセットして、諸経費を差し引いて残金を出し
インカムゲインを加えた後
「保険の返戻金」を加えて
購入時に拠出した「自己資金」を差し引く。
これで全てのキャッシュフローがはっきりと算出できます。
私が今回売却した木造アパートのケースでは、
- 購入価格:5,300万円。諸経費込みで5,600万円の融資を受けて購入。
- 自己資金はそのうちの100万円。
- 売却価格:4,900万円、残債4,700万円、諸経費200万円でプラスマイナスゼロ。
- 5年間所有したインカムゲイン:20万円
- 保険返戻金:150万円
ということで、
4,900万円(売価)−4,700万円(残債)−200万円(諸経費)
+20万円(インカムゲイン)+150万円(保険返戻金)−100万円(自己資金)
=70万円
となりました。
つまり、この木造アパートを5年間所有した結果として、70万円が手元に残りました。
これが今回の「出口」というわけです。
元々の購入価格5,300万円−売価4,900万円=マイナス400万円
とはだいぶ実態が異なりました。
私の売却の目的が「残債を無くす」ことにあったので、わずか70万円が残りましたがこれで良しとします。
そして、もしも売却時の価格が購入時価格を大きく上回り、残債をクリアしても数百万円・数千万円の利益が出た時は要注意です。
個人で所有している物件を5年以内に売却した場合、短期譲渡税として利益の39%を納めなければなりません。1,000万円の利益が出たら390万円が税金になります。
話が少々長くなり、ややこしさを感じてしまったかもしれませんが、収益不動産は
「安く買って高く売る」という単純な商売ではなく、
そこに手数料や自己資金、インカムゲイン、税金までさまざまな項目を捉えながら売買を行っていかなければならないのです。
こう考えると、売却によってよほど大きな利益を狙う目的がない限り、できるだけ長く所有して、継続的なインカムゲインを得ていく方が私には合っています。
4日間にわたり、お付き合いいただきありがとうございました。
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