不動産事業に融資する金融機関のスタンスを知ろう
2015/08/29 銀行融資
日本テレビのドラマ「花咲舞が黙ってない」を観ていると、融資にまつわる銀行内部の不祥事をテーマに、女優の杏が扮する銀行員・花咲舞が悪者を次々と反省させるという痛快なシナリオにスカッとします。
その時、融資を願い出る中小企業の経営者の大半は
「5,000万円融資してくれないと倒産してしまう」
「あと3,000万円、何とか都合つけてくれないか」
と融資担当者に言い寄っています。
また、NHK朝の連続テレビ小説「まれ」では、パティシエを目指す主人公が自分の店を出すために農協へ企画書を提出し、350万円の融資承認を得たものの、申し込み用紙に判を押す段階で、その金額の大きさにためらうシーンが印象的でした。
一方、不動産投資の融資額は1億・2億もザラにあり、350万円ではワンルームマンションさえ買うことができません。それだけ一般企業に比べて融資の額が大きい、ということですね。
金融機関は、事業を営む会社に対しては、数百万円・数千万円の融資のために、徹底的に事業計画を追求・調査し、厳しい稟議書を通して承認していきます。
不動産事業であっても稟議書は必要ですし、事業の安定性を見極められることは同様です。
しかし、
一般企業に対して行う融資と、不動産事業に対して行う融資には、大きな違いがあります。
それは 不動産賃貸業の場合、
万が一その事業が失敗しても、
融資回収がゼロになってしまうことが極めて少ない
ということです。
なぜなら、他の事業と違って不動産事業の融資には
土地と建物が担保に入っているからです。
金額の大小ではなく、担保価値に大きく依存されると言っても過言ではありません。
逆に
担保さえしっかりしていれば、何億円もの融資も充分可能です。
それだけ不動産賃貸業は安定的な事業であると認識されているのです。
銀行目線から観れば、もしもお金を貸したオーナーがうまく経営できずに空室が増え、収入が減っても、借金が返せないならばその物件を取り上げることができるので、貸し倒れになる確率がとても少ないと言えましょう。
もちろん金融機関はその物件を売却して現金を回収するわけです。
逆に、だからこそ物件の担保価値が重視され、
その金融機関ならではの評価基準・評価方法をもって物件を審査します。
金融機関によって融資をしやすい物件とそうでない物件がある
のはこのためです。
同じ金融機関でも、時期・支店の考え方によっても異なってくるのです。
したがって、