利回りが低い物件しかない時はどうすればいいの?
2015/10/11 投資の考え方
昨日のブログでは、最近の不動産市況について言及し、2015年のRCマンションの利回りが8%台になっている、というお話をしました。ほんの数年前、2012年あたりでは10%台が普通に出回っていたので、今はかなり物件価格が高騰している、と実感されている方が多いと思います。
2012〜2013年頃に不動産投資に取り組み、十分な基礎固めをされて今は悠々自適な生活を送っている人がたくさんいます。
そういう方が書かれたノウハウ本も多数出版され、
「根気よく探していれば利回りの高いものが必ずあるし、銀行もたくさん訪問すれば低金利で融資が引けるのだ!」
というご自分の実体験を熱く語る向きの内容を目にすることもあります。
●激変した不動産市場
しかし、たった1〜2年で不動産市場は随分と変わってしまいました。私はちょうどその端境期におり、2012年から本格スタートした物件取得活動では、最初の1棟だけは利回り11%だったものの、それ以降はどんなに一生懸命探しても、RCで10%を越えるまともな物件には出逢えていません。あったとしても全空室に近い状態とか、築45年など、どうやっても融資が付きそうない物件ばかりです。特に私はオーバーローンを原則としていますので、築年数や入居状況は融資金額と融資期間に大きく影響して来ます。
というわけで、どう探しても利回りが低い物件しかない場合、それでも購入したいと思う理由があるのなら、次の対策を頭に入れておいて、前に一歩踏み出す、というのも一つのやり方です。
●返済比率が60%未満であれば、購入に踏み切る。
返済比率というのは、家賃年収に占めるローン返済額の割合です。
例えば家賃年収が1千万円の時、
1億2,000万円の融資を3.5%の金利で35年借りた場合、
年間返済額は595万円になります。
こうすると返済比率が60%未満になり、15%程度の空室が出てもまだ持ち堪えられると思います。
この返済比率を実現するためには、
1.金利が高くても、できるだけ融資期間を長く取れるように交渉する
2.融資期間が延びないなら、できるだけ金利の低い金融機関を探す
3.頭金を入れて融資総額を減らす
のいずれかを選択するしかありません。
③ができれば始めから苦労しないと思うので、
やはり①か②を粘り強く探していくしかないですね。
●なぜ物件を買うのか
今後、利回りが下げ止まるのか、それとも更に下がるのか、誰にもわかりません。
しかし、不動産市場で最も強いのは「物件を持っている人」なのです。いつの時代も土地や建物を持っている人が、売買の優先権を握ります。
今、とりあえずある程度の妥協をしてでも物件を入手し、後から経営改善を進めることはできますが、今、物件を取得しなければ、一向に不動産投資をスタートできない、というのも事実です。机や本にかじりついて評論するだけでいるか、とにかく行動に移すか、その選択によって将来が変わってきます。
●今、やるべきこと
このように、利回りが低いから買えない、と諦めるのではなく、
今こそ金融機関の情報にもっと敏感・貪欲になり、不動産会社やその関連の人脈を丁寧に育てながら、いち早く良い情報をキャッチしていくように努めるべき時期だと思います。
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