物件を購入したら、経営改善のためにガス設備をチェック!
2015/10/13 投資の考え方
物件を取得後の経営改善のために、まず私が最初にチェックする設備は、ガスです。
都市ガスかプロパンガス(LPガス)か、を確認するところからスタートします。
その物件が都市ガスを採用している場合にはプロパンガスへの切替、既にプロパンガスを使用していれば、別のプロパンガス会社への切替を検討します。
- 料金の違いに隠された真実
都市ガスはこれまで公共料金として提供されていました。そこに一般企業のプロパンガス会社が参入し、いろいろなサービスをつけて顧客獲得をしている、というのが業界の仕組みです。
入居者目線では、まず一般的な印象として、
「都市ガスの方が安い」という定説があります。
だから入居者さんも「ガスは都市ガスに限る」と指定して部屋探しをする人も少なくありません。
それを感じている管理会社も、都市ガスの方が客付けしやすいと思っているセールスさんが少なくありません。
でも、日本企業を舐めてはいけません。単に価格が安いだけの都市ガスに対し、黙って指をくわえて見ているだけのはずがないのです。
2016年からは電力市場の完全自由化が決定しており、更に都市ガスも2017年に全面自由化が予定されていますので、そうなるとますますエネルギー業界全体で熾烈な競争が予測されます。
- プロパンガスに切り替えるメリット
例えば、ガス設備の中で最も修繕リスクが高いのが給湯器の交換です。大体10年〜15年くらいで交換の時期がやってきます。世帯の大きさによっても異なりますが、その費用は10万円〜15万円程度。これが徐々に部屋数分だけかかってきますので、30室ある場合には300万円〜450万円を将来の修繕費にあて込んでおかなければなりません。
これがプロパンガス会社と契約すると、ガス会社負担にて交換できるサービスが付帯されてきます。プロパンガス会社としては、継続的に顧客を確保することができれば、給湯器を提供することは、それほどハードルが高くないのです。
プロパンガス会社は世の中に2万社以上あると言われ、その中でしのぎを削って顧客獲得しなければならないので、ガス会社さんも切替には積極的です。
また都市ガスは、万が一の災害時には供給が完全にストップしてしまいますが、プロパンガスは単独の設備を敷地内に有しているため、早く回復できる可能性があります。
- サービスの裏側に潜むもの
この他、カラーモニター付きドアホンの設置やエアコンの永年無料交換などのサービス、オーナーへのインセンティブ(報奨金)等もありますが、あまり調子に乗ってあれもこれも要求すると、それは必ず入居者のガス料金に反映され、個々の負担金が上がります。やがてそれが不満となって退去を促す原因にもなりかねないので要注意です。
また、プロパンガス会社ならどこでも良い、というわけではなく、契約条件をしっかりと確認しないといけません。
私がかつて木造アパートを売却した際、新築での購入から2年ほど経っていましたが、管理会社とプロパンガス会社がグループ提携していたため、契約書上、どちらか一方を解除することができない内容になっていました。しかもプロパンガス契約を解除する場合には、残存の設備償却費用を負担しなければならず、それだけで240万円かかるとのことでした。
その木造アパートの買主さんがどうしても管理会社を変えたいと要望されたので、止むを得ずプロパンガスの設備費分、売却価格を下げて売り渡す羽目になりました。
このように、契約解除できない期間が設定されていたり、プロパンの設備に償却期間が設けられていて、解約時には一気にその分を負担しなければならないこともあり得ます。いつまでその物件の所有するつもりなのか、という腹づもりと合わせ、よく検討・吟味した方が良いです。
- 経営改善へつなげるポイント
私が取引しているプロパンガス会社は、都市ガスから切り替える際、値段が高くならないことを条件にしています。そしてそれを入居者さんにきちんと説明してもらいます。
その上で、給湯器交換無料のサービスを付けてもらっていますので、オーナーにとっては交換費用を節約することができ、経営改善が図れます。
更に先般購入した物件では、ファミリータイプにも関わらず追い炊き機能がついていませんでした。これは客付けの際にかなり深刻な阻害要因になります。そこでプロパンガスのセールスさんに相談し、給湯器交換に加え、新規入居者から順次追い炊き機能を設置してもらうようにしました。これで新規募集家賃を5,000円アップし、現入居者さんには賃料2,000円アップを条件に、追い炊き機能追加を提案しました。
こうすることで部屋の価値も上がり、入居者の満足度も上がって、やがて家賃収入も増えます。但し、この進め方にはやはり管理会社とプロパンガス会社の理解と協力があってこそ成果を生み出すものですので、よい会社・信頼できる営業マンと出会い、自分の主旨・目的・希望をきちんと説明した上で推進してください。
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