民泊が認定され、賃貸業に新しい風が吹き込んでいます
2015/12/16 業界裏ばなし
すっかり話題を集めるようになった「民泊」。自治体の法整備も着々と準備が進んでいます。
既報の通り、東京都大田区で、来年1月から国内で初めて民泊条例が施行されることが決まりました。
12月14日付の全国賃貸住宅新聞に掲載された内容をベースにお伝えします。
民泊とは、マンションや住宅の空き部屋を数日間、主に旅行客などに貸し出す業態のことです。
現時点での利用者は外国人旅行客が多く、アメリカのAir bnbという専門サイトでカンタンに予約できます。
普通のホテルではコストもかかる上、年々外国人の流入が増えている反面、受け入れるホテル・宿泊所の数が圧倒的に不足しており、ただ泊まるだけの拠点を求める観光客には、民家の一部屋や賃貸マンション・アパートでも十分用を足せます。
ここに目をつけた不動産賃貸業界の面々が、所有物件の空室を短期的に旅行者へ貸し出せば、1回(一日)の契約は低料金であっても回転率が高く、場合によっては1ヶ月の家賃よりも収入が増える、ということで積極的、もしくは試験的に実施しているケースが目立ってきました。
つまり、借りる方も貸す方も、双方にメリットがある新しい賃貸の姿なのです。
ところが、これまで旅館業法で規定されていなかったために、さまざまなトラブルが起きても取り締まることがなかなか難しいと言われてきました。
今回、大田区議会で可決された条例案の主なポイントは以下の通りです。
1.周辺住民に対して事前の周知を行うこと
2.緊急時に外国語で情報を提供できること
3.必要に応じて区が立ち入り調査できること
4.滞在期間は7日以上とする など
これら一定の条件を満たすことで、民泊事業を認める、ということです。
今回、特に「民泊」を実施する物件の、近隣住民への配慮が多く盛り込まれており
実例として外国人の出入りによって住民が不安を抱き、クレームに発展するトラブルが相次いでいることを受けているようです。
また、水回りの事故や鍵のトラブルなどが発生した場合に、外国語で速やかに対応できる窓口の設置を義務付けています。
もちろん日本人の利用も全く問題ありません。
貸す側の留意点は、単純な賃貸と違って宿泊施設になるため、ベッドの設置やタオルなどのアメニティをある程度は揃えておく必要があります。
そして、利用者のことを考えると、観光地の近くや駅からのアクセスなど、立地が重要な要素になってくると思われます。
そして、このように正式に「民泊」の業態が認定されれば、当然ながら管理会社をはじめとするプロフェッショナルな業種の方々が、専門的にこれを請け負うようになってくることが想定されます。
よい立地に物件を持っている方は、月々の家賃よりも収入が増える可能性があるこの「民泊」を導入されるのも、新しい賃貸の収益形態として意義のあることだと思います。
かくいう私は、のどかな街に購入したファミリー物件の空室を、一日も早く満室にできるよう、関係者と連絡をとりつつ、もうしばらくがんばります。
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