不動産オーナー必見!今こそ火災保険を見直すとき
2015/09/10 業界裏ばなし
火災保険は、物件取得後の経営改善をはかる上でとても重要な項目の一つです。
取得時には物件価格や利回り、収益のことばかりがどうしても気になり、保険は成り行きで入ってしまっている人が多いようです。
今日は私がとても信頼をおいている保険代理店の執行役員さんに、とても重要なお話を聞くことができました。
それは、
平成27年10月1日より
火災保険制度が大幅改正される
ということです。
保険業界史上始まって以来の激変だそうです。
どのように変わるのかというと、次の2点になります。
1.保険料率の引き上げ
従来の保険料率は全国一律で、RC造・鉄骨造・木造の3パターンのみでした。
それが、10月1日より全国47都道府県で別々の料率が設定され、それぞれ3種類の構造体によって分類されます。
つまり、47×3=141通りの料率が設定されます。
では金額が高くなるのか、安くなるのか
について、簡単に解説します。
【RC造】
全ての都道府県で最低14.8% から最大31.5%まで、料率が引き上げられます。
【鉄骨造】
地域によって、マイナス12.3% から、最大22.9%引き上げ
【木造】
地域によって、マイナス20.7%から、最大29.5%引き上げ
※保険会社、補償内容により若干異なります。
引き下げられるエリアも一部ありますが、総じて引き上げられる地域の方が多いです。
最大3割も料率が引き上げられると、無視できない値上げになりますね。
2.加入できる保険期間の短縮
従来は最大36年まで一括で加入することができましたが、
10月1日より「10年」が限度になります。
今後も保険料率の見直しが行われる可能性があることを考えると、長期に物件を保有するならば、できるだけ長期間加入しておいた方が、更新時にまた料率が引き上げられる心配がなくなります。
例えばRCの場合、仮に36年の期間契約ができるケースであれば、
10年・10年・10年・6年と更新する方が約1.5倍も保険料が高くなるそうです。
では今、不動産オーナーは何をすればよいのか
ということですが、
今すぐ、現在加入している火災保険の内容・年数・保険金額を確認し、
長期保有を考えるなら、すぐに保険代理店に相談する
のが良いと思います。
RC造の物件であれば、次回の更新時に確実に保険料が値上げになります。
このリスクを最小限に留めるには、
9月30日までに
できるだけ長期の保険に加入するべきなのです。
鉄骨造や木造の物件で、
10月1日から料率が引き下げられる都道府県
に所有されている場合には、
10月1日以降、
できるだけ早く期間変更されることをお勧めします。
保険の切替は、取扱い代理店に伝えればすぐに対応してくれます。
別の見方をすれば、現在多くの代理店さんが、9月30日までに長期火災保険に加入してもらうよう、急いで動いているようです。なぜなら、10月1日以降は長期の火災保険が売れなくなるので、代理店にとっても収益が減ってしまい、場合によっては利益が約半分以下になるようです。
しかし、待っていても全員に推奨してくれるというわけにもいかないでしょう。
またこれを機に、保険会社・代理店を見直す、という機会にもなります。
私も本日、5年加入のものを融資期間いっぱいまで延長する手続きをしてもらいました。
一つだけお断りを入れておきますが、これはあくまでも「長期保有」を前提とするケースです。
短期に売却をお考えなら、今まとまった長期保険料を支払うのは手持ち資金を減らすことになるのでお勧めしません。
いずれにしろ、加入している保険の内容・期間は常に把握しておくことが大切ですね。