不動産投資をする上で、太陽光発電はまだ間に合うのでしょうか?
2015/09/19 よくある質問
一時は大流行りとなった「太陽光発電」。広い屋根を持ったアパート・マンションを所有するオーナーなら、経営改善のために設置を検討したことがあると思います。
私も2013年に、所有する2棟のマンションの屋上(陸屋根)に太陽光発電設備を設置しました。
それがこの一年の実績として、
1棟あたり50〜60万円
の売電ができています。
そしてこの設備もまたフルローンを借りて設定しており、
返済額が年間約40万円。
設備を維持するための電気代が1万円なので、
差し引きで
1棟分がおよそ12万円から18万円、
2棟合計で30万円の手残り
(キャッシュフロー)
があります。
もともとこの2棟は「収益」が目的ではなく、
「設置費用が減価償却費として計上できる。つまり節税ができる」
「太陽光発電事業を機に人脈を広げる」
「単に興味があったから」
という理由で始めました。結果的に月々2,3万円程度ですが、まるで空室の心配が無い収益不動産のようで、毎月着実にお金が入ってくるので、やってよかったと思っています。
ではこれからの太陽光発電は、不動産投資家にとって魅力があるのでしょうか。
一番重要なのは「買取価格」ですが、
1kWhあたり
2012年(平成24年) 42円
2013年(平成25年) 37円
2014年(平成26年) 32円
2015年(平成27年) 29円
と年々下がってしまっています。
業界関係者の話と、私の実感においては、
私が設置した
2013年までが、収益を見込めるギリギリのライン
だったようです。
あとは物件の屋根の上ではなく、「野立て」といって、広大な地面の上に大規模の発電設備を設置するパターンがあります。こちらも2014年までが限界と言われ、2014年のうちに申請されたものがまだいくつか残っており、それが売りに出されているのを時々見かけます。
太陽エネルギーを電気に変える、という発想は素晴らしく、国を挙げて設備の導入を推進してきました。ところが肝心の電力会社の方がそれを受け入れられるだけのインフラが整っておらず、発電設備だけ完成して、電力を送るパイプをつなげる方が間に合わなくなっているようですね。
ですので、昨年申請した案件のものが、今頃完成したりして、売りに出されるわけです。
いずれにしろ、
太陽光発電設備で収益を得よう、
と思うなら、一言で言って
「もう遅い」
と言わざるを得ないようです。
現金で購入して節税対策に、
というなら
まだ選択肢はあるかもしれません。
太陽光設備を導入する際にも収益物件と同じく、
収入(売電)から支出(ローン返済・管理費・税金)を引いた手残り(キャッシュフロー)
を常に考えることが大切ですね。