物件売却時、売価と利益をどう考えるか? その3
2015/10/29 投資の考え方
物件を売却した時、いくらで売ればいくらの利益が確定するのか、
というテーマについて私の考察をお伝えし、今日で3日目になります。
一日に一つずつ、考え方を整理しています。
そのきっかけは、私自身が木造2棟を売却するときに悩んだことがあるからです。
そして、周りの人や本で見かける人は、とても簡単そうに
「◯◯円で買った物件を◯◯円で売った。だから◯◯円儲かった」
というので、本当にそうかなぁ、と感じるのです。
それではまず、これまでの考え方をおさらいしておきます。
案1:買った時の価格と、売った時の価格の差分で考える
単に購入価格と売買価格の差分が利益になる、という考え方。
これは現金の売買時には通用しますが、実際には売買には仲介手数料を伴うため、この他に何百万円という支払いがある筈。
したがって収益不動産の売買としては現実味がないのでは、との私見です。
案1の本文はこちら。
案2.売却時の残債をリセットする、という目的で考える
収益不動産のほとんどは融資を受けて物件を購入しているので、売却時には残債をゼロにする、という考えに基づくケースがあります。
実際、売却価格から仲介手数料を引き、残債を全て返して残ったお金が手元に残るわけですから、これを「利益」とする見方ですね。
案2の本文はこちら。
そして3本目の今日は、もう少し広い視野で不動産投資を眺めてみます。
それは、一時の売買のみならず、所有していた期間のキャッシュフローを加味する考え方です。
たとえばその物件を5年間所有し、家賃収入から必要経費を引いて、年間100万円ずつのキャッシュフロー(手残り現金)を得ていたとします。
そうなると、たとえ売却金額から手数料と残債を引いた後に1円も残らなかったとしても、その物件を所有したおかげで100万円×5年=500万円が利益と考えることも正しいのではないでしょうか。
ちなみに、この家賃収入から得られる利益のことを「インカムゲイン」といい
売買の結果から得られる利益のことを「キャピタルゲイン」といいます。
不動産投資は、この「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」の両方を得られることを大きな特徴としている素晴しい投資スタイルです。
従って、やはり双方の利益を合算して捉えることが、出口(投資の結果)を見定める上では重要なのだと思います。
具体例として私のケースを挙げてみます。
① 5,300万円の新築木造アパートを、諸費用込みで5,600万円のオーバーローンで購入。
② 5年所有した後の残債は4,700万円
③ 売却時の価格は4,900万円(もっと高く売りたかったけれど残念!)
④ 5年間のインカムゲイン(家賃収入から必要経費を引いた手残り)は20万円(←寂しい)
この時、4,900万円で売る時の
仲介手数料(物件価格×3%+6万円)
諸費用(抵当権抹消手続き費用、日割り家賃清算時の買主への譲渡分etc.)
が合計で200万円でした。
つまり、4,900万円を買主さんからいただいて、仲介手数料と諸費用200万円を引くと、
4,700万円。これで残債を返済するとちょうどゼロになります。
ではこの投資では、プラスマイナスゼロなのか?
というとそうでもなく
所有していた期間のキャッシュフローが20万円あるのですから、
この投資の利益は20万円だった、としてみました。
「5年間、1円も出さずに最後は20万円の利益を得た」
要するに、キャピタルゲインとインカムゲインの合計で利益を確定させる、
という考え方ですね。
しかしこれでは、肝心の◯◯を忘れているのです。
いよいよ明日は最終章。
◯◯の答えと、さらに踏み込んだ私の結論をお話しします。
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