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不動産事業を「投資」と呼びたくない理由

  2015/08/24    投資の考え方

自分のお金を何かに預けて、それを殖やしてもっと大きなお金を

手に入れることを「投資」といいますが、その投資対象が

土地やマンションなどの不動産である場合、それを

「不動産投資」

と呼びます。

何とまあ回りくどい言い方をしてみましたが、

不動産投資は他の投資とは大きな違いがありますので

あえてこういう表現から始めます。

 

例えば自分のお金が100万円あって、

それで株や債権を買うと、

その時の価値は100万円ですよね。

でも、不動産の場合、100万円持っている人が

現金で100万円の物件を購入することはほとんどありません。

100万円持っていても、1,000万円の物件を

買えたり、もっと高額な物件を購入することができます。

極論すると、1円も持っていなくても、何千万もの物件を

購入できるケースもたくさんあります。

それはなぜか。

そう、銀行(正しくは金融機関)がお金を貸してくれるからです。

 

なぜ、銀行は不動産を買う人にお金を貸してくれるのでしょうか。

それは、物件自体が「担保」になるからです。

 

つまり、もしもその人がお金を返せなくなった場合、

担保になっている土地と建物を取り上げて売却すれば、

大体貸した分の金額くらいは回収できるから、

と踏んでいるからです。

 

そしてもう一つ、不動産投資で特徴的なことは、

所有している間、空室が出ないように工夫したり、

建物をキレイに保って物件の価値が下がらないように

する努力が必要になります。

つまり、

不動産投資は「投資」というより「事業」なのです。

銀行も、投資をする人になどお金を貸してくれる筈もなく、

不動産経営をする人に、

事業資金

としてお金を貸してくれるのです。

 

銀行の目線からは、普通にお店を出して商売する人にお金を貸す場合、

万が一その事業が失敗したら資金がゼロになって返してもらえなくなる

リスクがあるけれど、

不動産賃貸業の場合は、まず倒産することはないし、

いざという時には担保があるからよほど安全だ、

という考え方を持った銀行員も存在します。

(私を担当してくれている地銀の支店長の言葉です)

 

ですので、不動産で「月収」を得ようとする人は、

単に銀行からお金を貸してもらえば自動的に増えていく

などという「投資の概念」は捨て、

基本的に「賃貸業を営む」という

覚悟を持って臨むことをお奨めします。

 

「安く買って高く売る」という投資スタイルをお望みの方は、

本当の「投資家」となるべく

たくさんの資金を用意された方が良いと思いますし、

その場合には「月収」という考えは

当てはまりません。

 

不動産経営とは、入居者というお客さんがいて、

仲介業者、管理会社、設備業者、保険会社など、

たくさんのビジネスパートナーとともに運営する

れっきとした事業なのです。

 

だから私は、自分の活動を「不動産投資」ではなく、

「不動産賃貸業」もしくは「不動産経営」と呼ぶようにしています。

(タイトルは「不動産投資」の方がキャッチーなので、時々使っています)

 

銀行からお金を借りて事業を営む。

まずはそのマインドセットから始めましょう。

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