悪い物件を購入してしまうリスクの回避方法は?
2016/07/21 投資の考え方
不動産の世界では、俗に「千三つ」という言葉があります。
「せんみつ」と読み、
良い物件とめぐりあい、かつ良い条件で話がまとまるケースは
1000件のうち3件しかないという意味です。
国語辞典で調べてみると、この他の用法として
食品業界で、1000品目発売しても当たるのは3品目くらい
という、新商品開発の難しさをいう言葉でもあるそうです。
別の意味で、千のうち本当のことを三つしか言わない嘘つき
のことも表すそうですが、これはちょっと違いますね。
いずれにしろ、良い物件、つまり
高い収益性が見込まれ、売却時にも価値が下がらない物件は
確率として0.3%くらい
ということになります。
良い物件か悪い物件か、どちらでもないそこそこの物件か、
を見極めるのは、不動産投資を始めたばかりの人にとっては
特に難しさを感じると思います。
例えば、物件を探している時
普通に求められる好条件として
・高利回り
・築浅
・RC造
が挙げられます。
この条件をポータルサイト「楽待」で検索してみると
金利:10%以上
築年数:20年以内
で、該当物件は15件。
今日の掲載物件総数は68,238件と出ていましたので、
千三つ(0.3%)どころではなく、
実に0.02%の比率です。
しかもその15件のほとんどは、
政令指定都市ではなく、
無名のエリアで賃貸需要が想像つかない、
または
駅から長い時間バスで行くほど遠かったり、
土地がとても狭く、物件評価が低いことが
想定されるものばかりです。
今の時期、利回りは7〜8%台、
よくても9%台が稀にある程度ですから、
10%を超えているとなると
それなりの理由があることに敏感になった方が良いです。
一番難しいのは「融資が通らないこと」で、
高利回りの理由として多い
容積率オーバーや
再建築不可
など、
物件自体の価値を大きく下げる「足かせ」が隠されていることもあります。
こうなるとオーバーローンはもちろん、フルローンも通らないので
自己資金を相当多く入れないと買えません。
今、自分が購入できる収益物件の規模はどのくらいの価格で
年間のキャッシュフローはいくら望めるのか、
その後の拡大戦略もイメージして、
できるだけ理想に近い条件のものを
探し続けることが王道です。
逆に「すべての条件を満たす最高の物件」
というのは
千三つどころか1件もありませんので、
どこかに妥協点を見出し、
購入後の自助努力でカバーできるポイントを
きちんと自覚しておく必要があります。
その覚悟に至るには、
やはり何十件、何百件と物件を探し
現場を見たり
不動産会社のセールスさんや金融機関と会って
自分で相場感覚を養っていくのが一番です。
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