マイナス金利が不動産業界に与える影響とは?
2016/01/31 業界裏ばなし
1月29日、日銀の黒田総裁が「マイナス金利」政策を発表し、ちょっとした小騒ぎがありました。
この発表を受けて円相場が一気に安くなり、
私はたまたま持っていたFXの「円ポジション」を売って、
23,820円の小銭を稼ぎました。
前日は評価額で10万円以上マイナスになっていたので
我慢して売らずに持っていて良かったです。
そんなことはさておき、
今回の「マイナス金利」とはどんなもので
市場にはどんな影響があるのか、
について、簡単にお話ししておきます。
マイナス金利とは
一般の銀行が日本銀行にお金を預けるとき、
普通は金利がついてきます。
それが今までもメチャ安くて、
0.1%でした。
一般の銀行が年間に預けるお金は約250兆円程度と言われているので
その0.1%=2,000億円
が、日本銀行が一般の銀行に支払っていたお金です。
ところがこの金利を「マイナス」にする
ということは、
「預けたらお金を取るよ」
ということです。
ひぇー、これはもう、
「預けるな」
と言っているのと同じですね。
マイナス金利の影響
こうなってくると、一般の銀行は日本銀行にお金を預けると
損をするので、他に使い道を考えるようになります。
そこで銀行は、企業にお金を貸した方がマシ
という考え方にシフトします。
すると需要の多い「住宅ローン」の金利を下げて
どんどん借りてくれ、
という姿勢になり、
企業にもお金を借りてもらいたいから
金利を下げる
ということになってきます。
一方、企業の方は円安のおかげで
輸出産業を営む企業は円の売上・利益が黙っていても増えます。
今まで100円だったものが120円になれば
それだけで20%儲かるわけです。
じゃあ従業員の給料も上げよう、
給料が増えたら何か買おう
となって消費が活発になります。
まあ、そうやって企業活動・消費活動を活発化させて
景気を上向きにしようというのが
そもそもの日銀の狙いです。
不動産市場への影響
銀行が金利を下げる、融資をしやすくなる
ということは、
不動産を買える人が増える
ということにつながります。
そもそも景気が良くなれば
投資してみようかな
という人も増えるはずです。
ここまでは良いのですが、
多くの人が買えるようになる
買いたい気持ちになる、ということは
物件価格が上がる
ということなのです。
競争が激しくなれば値段は上がるもの。
融資が出やすい
=物件価格が上がる
=利回りが下がる
融資が出にくい
=物件価格が下がる
=利回りが上がる
不動産市場はいつもこの繰り返しです。
最近の収益不動産は数年前に比べてずいぶん利回りが下がった
と言われていますが、
それは、銀行がたくさん融資をしている
もしくは現金で買える人が増えている
ということなのです。
そしてこれからますます
その傾向が強まる
というのが一般的な見方です。
まぁ、何かまた天変地異が起きたりすると
この状況も変わるのですが。
この状況を見ながら そして
この仕組みを理解しながら
私たち不動産投資家は
物件価格・利回り・融資
に立ち向かっていかなければなりません。
そして自分の戦略を見直しつつ
物件を探し、融資に取り組んでいくのです。
*********************
昨日のブログ
不動産投資家と一流プロ写真家
**********************
桜木大洋のブログをもっと読みたい方へ
桜木不動産投資塾
のホームページはこちら