不動産投資のデッドクロスとは?
2016/04/20 投資の考え方
不動産投資を進める上でのリスクとして
様々なものが挙げられています。
空室リスク
修繕リスク
金利上昇リスク
などなど。
その中で、知る人ぞ知る
よりシビアで、
確実に起こり得るリスク
それは
デッドクロスです。
デッドクロスとは
FXの用語で
これまで上がり続けていた価格が急に下落し始めるという
相場の転換点を示すポイントのことを言うのですが、
不動産投資の場合は少々違って
あまり耳慣れない言葉ですね。
どういうことかというと・・・
まず、不動産収入を得たときには税金を払わなければいけませんが、
売上に相当する家賃収入から
経費に相当するローン返済金利や建物の減価償却費を計上すると
見かけ上、ほとんど利益がなくなり
申告上の利益が少なくなって、節税も出来る
という仕組みがありますね。
ところが、
減価償却は何年かするとほぼ終わり、
金利分は年を追うごとに少なくなっていくため、
5年〜10年のうちには
たくさんの利益が出るようになります。
しかし今度は、
経費に算入できない「返済の元金分」の額が増え、
当然ながら利益増に対して所得税を納めることになるので
帳簿上の利益よりも
実際の手残りの方が少なくなってしまいます。
例えば、家賃収入が1,000万円あったとしましょう。
このうち、返済額600万円(うち金利分500万円)
減価償却費 400万円
管理費 200万円
とすると、帳簿上は1,000万円—500万円-400万円—200万円=マイナス100万円
となりますが、
実際のキャッシュフロー(手残り)は
1,000万円—600万円—200万円=プラス200万円
ということになります。
帳簿上よりも実際の方が手残りが多いという状況です。
これが何年か経つと状況が一変します。
返済金額に占める金利分の割合も年数を追うごとに低くなるため、
返済額600万円に対して例えば金利分が100万円になると、
それしか計上できなくなります。
そして減価償却費が0円になる日が必ず来ます。
そうなると申告上は
1,000万円(収入)—100万円(金利)—200万円(管理費)=700万円
となり、700万円の所得税率23%をかけると
161万円を納めることになります。
実際の手取り額は変わらず200万円なので
200万円から161万円(所得税)を引いた39万円が手残りとなり、
帳簿上の利益よりも実際の手残りの方が大幅に少なくなってしまいます。
そうして、黒字なのに税金を払えないことで倒産
ということもあり得ます。
これを不動産投資での「デッドクロス」と呼びます。
デッドクロスの対策は
自己資金を入れて負債額を減らす
所得税を支払える分の貯蓄をしておく
また新たな物件購入か設備を導入して減価償却を増やす
売却する
ということになり、いずれも苦渋の選択になります。
そうは言っても、あまり過剰に意識する必要はないと(私は)思っています。
考えられる対策に基づいて、
その時に応じて行動するのみです。
このリスクを過剰に意識するのなら、
不動産投資自体、
やらなない方が良いかもしれません。
投資に「絶対」はないので
ある程度のリスク対策が済んだら
あとは規模の拡大等に
チャレンジしていくものです。
私もこれから、日々情報を仕入れ
対策と準備を進めていきます。
デッドクロス
一度はその対策をイメージしてみてください。
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