不動産投資の失敗談 新築木造アパートの苦難
2015/09/03 自慢できない失敗体験
私が最初に購入した収益不動産は「新築木造アパート」でした。
いろいろな経験を積んだ今、思うことは、新築木造アパートは、自己資金のないサラリーマンが一番簡単に納得し、買いやすいと思ってしまう一番の商材物件だな、ということです。
しかし、それから4年経って、私は2棟の木造アパートを手放しました。
初めの1棟と2棟目がこの「新築木造アパート」だっただけに思い入れもあったのですが、私の不動産投資の目的が「サラリーマン収入を上回るキャッシュを得ること」にあったので、購入して運営するようになってからやっとその勘違いに気づき、泣く泣く売却することになったのです。
その顛末をお話しします。
まず、不動産投資に興味を持った私は、ネット検索で「アパート経営」というキーワードで見つけたある会社のホームページが縁で、現場見学会に行き、それから一週間後に購入を決めてしまいました。知らないというのは本当に危険なことです。
新築木造アパートのセールスさんが説明してくれたメリットは以下3点でした。
1.自己資金ゼロでも満額融資をひいて購入できる。
2.新築なので、当面の間、修繕費がかからない。
3.返済が終われば、建物と土地が自分のものになる。
この3つのメリットのポイントは
今、全くお金が無くても買える
将来的に損をしない
ということです。
「土地と建物が自分のものになる」というのは、まだ大家業の経験がない自分にとっては、何だかもう資産家の仲間入りをしたような気分になり、考えただけで嬉しくなりました。
そうしてその木造アパートのオーナーとして運営を始めると、間もなく自分の考えがとても甘かったことに気づかされたのです。
所有して1〜2年で気づいたこと
競合物件が次々と新築され、後からできた方が安い家賃設定になってくる。
単身者には新築アパート狙いの人がいて、2年ごとに転居するケースがある。
6室中の1部屋が空くと家賃収入からローン返済した後の手残りがほとんどない。
こうなってくると、キャッシュを貯めるつもりで始めた不動産投資なのに、一向にお金が貯まらず、
次の物件を買うことがなかなかできないのです。
それからしばらくして不動産投資を徹底的に勉強し、私の目的に合った投資法はRCの中古を買い進めることだと理解したので、そのように実践し、3棟のRCマンションを購入しました。こちらは今、非常に大きなキャッシュフローを生み出しています。
そして木造アパート2棟は売却しましたが、購入した時よりも安く売るしかない状況で、それまでに得たわずかな収益を加味して、何とかマイナスにならないギリギリの収支で終わりました。
この時の経験から、
新築木造アパートを取得するならば
ローン返済が終わった後、資産として残すことが第一
将来の値上がりを予測して売却益を見込む
のいずれかを目的にするのならOK
キャッシュを得て次々と物件を買い増していくならば
RCの中古マンション
と結論づけました。
これから不動産投資を始める人への参考になれば幸いです。