新築木造アパートを買う時に気をつけたい落とし穴
2015/08/17 投資の考え方
以前のブログ
「新築木造アパートはサラリーマンに最適?」
でもお伝えした通り、
新築木造アパートは、
ワンルームマンションの次に取り組みやすい形態です。
価格が5千万円〜8千万円で、住宅ローンと比較してもそれほど大差なく、
更に収益物件ですから返済は家賃で賄える、という感覚も理解しやすいのではないでしょうか。
「一棟アパートのオーナー」
という呼ばれ方は心地良いし、
土地を持つことで、長い目で見た時に資産価値が安定している、というもの魅力的な要素といえます。
ですが、その先に
物件をもっと買い進め、
キャッシュフロー(手残り)を
増やしていきたい
という場合には、
覚悟しておかなければならないこと
がありますので、その点をお話ししましょう。
1棟のアパートは、
大体平均して6室〜10室程度の部屋数をもつ規模が多いです。
かつて私も木造アパートを2棟所有し、それぞれ6室と8室でした。
そして部屋の間取りは大体「1K」で家賃は4万円から6万円、単身世帯が中心となります。
単身世帯は主に学生や単身赴任者が多く、居住年数が2年から4年です。
これはつまり、入退去の機会が増えるため、どうしても空室になる期間が出てしまいます。
不動産経営というのは、家賃収入から
①管理会社に支払う管理費(約10%)
②ローン返済(約55%)
③固定資産税(約5%)
を差し引いた分がキャッシュフロー(手残り)
となりますが、
上記の木造アパートの場合、
月々の家賃収入がおよそ30万円(@5万円×6室)として、
キャッシュフローは30%=9万円です。
ここで、
もしも6室中の1部屋が空くとー5万円、
更に次の入居者が決まった時に
仲介手数料1ヶ月分=5万円
を不動産屋さんに支払うため
合計10万円
が飛んでいくことになります。
もちろんこの分は自腹で負担しなければなりません。
礼金1ヶ月分が入居者からもらえればよいのですが、単身世帯は競合が多いので、最近は「敷金礼金0円」で募集することが多くなっています。
私の経験上、こういうことは普通に起きます。
その際、管理会社の方が頑張ってくれて、すぐに次の入居者を決めてくれればよいのですが、近隣に同じようなアパートがある場合、わずかな家賃の安さや、新築に近い物件から埋まっていくことが多いのです。
せっかく新築の木造アパートを持っても、
一旦退去されてしまえば、すぐに競合との差別化に神経を払わなければならなくなります。
そして時期を逃すと平気で半年以上空室のままとなり、その時は5万円×6ヶ月=30万円を失い、
年間を通じてもほとんど手残りがなくなります。
こうなると、
次の物件を買う時に、
また頭金がないので融資がますます厳しくなり、
いつになったらもう一棟買えるのかなぁ、
という状況になります。
ですがワンルームマンションと違う点は、
余程のことが無い限り、全空室(=家賃収入ゼロ)にはならず、
収支トントンで維持
できる場合が多いです。
新築アパートはデベロッパーが事前に調査し、需要の多い場所に建てられているからです。
キャッシュフローは大して残らないけれど、
返済が終わった時には
土地と建物が自分の手元に残り、
売却もしやすいのが、
新築1棟アパートの特徴ですね。
新築を購入すれば、返済が終わるまで(約20年〜30年)あまり修繕費もかからないので地道に維持していくことができます。
家賃収入を将来の年金の足しにしたい、
もしくは
いざという時の生命保険代わりに、
というのなら、
新築木造アパートが最もリスクの少ない物件ですね。