コンテナ(貸し倉庫)ビジネスは不動産投資といえるのか?
2015/11/13 投資の考え方
先日、懇意にしていただいている地銀の支店長から直々に電話があり、投資案件を進められました。
普通は私の方から融資してもらいたい物件を銀行に持ち込んで検討してもらうのですが、最近は持ち込む物件が今イチ収益性に物足りず、ことごとく却下されていることもあり、支店長の方から「こんなのはどうですか」と提案をいただいた次第です。
金融商品でもない案件をわざわざ支店長から案内していただくなんて、これまでになかったことですし、銀行の支店長が勧めるのだから絶対安全・お得な情報なのだろうと、前のめりになって話を聞きました。実際、すでに5、6件申し込みがある、とのこと。
支店長から案内された案件は、コンテナへの投資で、年利回り11%、10年契約というものです。一口1,000万円の現金払い。そうすると10年間にわたり、毎年110万円ずつがフトコロに入って来て、契約満了後にはコンテナの会社が同価で買い取ってくれる、という感じです。
年利11%の定期預金のようなものですね。
さらにこの商品は翌年に「減価償却費」をごっそり(購入金額の6〜7割程度)計上できるので、利益が大きい法人においては節税対策にもなります。
ちなみにここで言う「コンテナ」とは、いわゆる「レンタルボックス」とか「トランクルーム」と言われるもので、事務所や家の収納が足りない人が、外部に借りる保管スペースのことです。
私の家の近所にも、JRの高架下にトランクルームがあり、常に満室の状況のようです。
最近の収益不動産は、実質利回り11%なんてまずあり得ません。しかもコンテナは管理費もほとんどかからず、ほぼ満室状態を保てるほど需要がありますので、考え方によっては太陽光設備よりも確実な収益が得られるかもしれません。
支店長からはそのように説明がありました。
私は電話を受けた段階からほとんど”購入しよう”という気持ちでしたが、話を聞いているうちにすぐにクールダウンしていきました。
その理由は、「トランクルームでは融資がつかない」ということです。
融資がつかないのは、担保価値がないからですね。
では銀行のメリットは?と尋ねると、
「コンテナを運営する会社から、仲介手数料として3%が銀行に入る」
とのことです。
融資ができない、担保価値がない、ということは、
もしもこの「コンテナ」を契約してしまった場合、
今後私が不動産物件を買い進めようとする際、
・資産として認められない
ということを意味します。
そんなものに投資するなら、現金をキープしておいて次の融資の時に「資産」として見せる方がよほど効果的です。
この私の考え方を説明し、丁重にお断りすると、
支店長も「おっしゃる通りですね。」と納得されました。
さらに
「私はお金を”投資”して増やしたいのではなく、事業家として”経営”をしたいのです。
資産にならないことにお金を遣いたくありません。」
といって、この機会に私のスタンスを明確に印象づけておきました。もちろん次の融資につなげるためです。
私の場合、キャッシュがあるからといって、今はやみくもに高利回り商品に手を出す段階ではありません。もう少し資産を増やし、万全な体制を築いておくことが先決です。
新しい情報・案件を手に入れることに魅力も感じたのですが、このように明確なポリシーを持っていると、安易な儲け話に乗っかることなく、相手にもきちんと理解してもらえる、ということを学びました。
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