銀行から不動産の融資を受ける時に聞かれる3つの質問
初めて銀行から融資を受ける時、どんなことを聞かれるのかとドキドキするかもしれません。
私はひとつの地銀から総額7億円の融資を受けていますが、これまで銀行とのコミュニケーションを通じて、我々に対するスタンスと、融資審査の時によく聞かれたことについてお伝えします。
●地銀の融資方針(想定と実感)
地銀は、管轄エリア内の物件にしか融資を行いません。
私は率直に「なぜですか?」と聞いたことがありますが、
「何かあった時に見に行けるからです」
という答えが帰ってきました。
物件評価をする際にも、単に数値でいくら、というだけでなく、
かつて私が前のめりになって検討していた物件に対し、
「あのエリアはもう何十年も前に開発が終わり、過疎化が始まっているから
賃貸需要は減っていく一方ですよ」
とのアドバイスをもらい、購入自体を取りやめたこともあります。
地銀とは、それだけ物件やその場所にこだわりを持ち、収益性と将来性をしっかり見極めて融資を行うところなのです。
その地銀が、融資をする相手に質問する意図は次の通りだと思います。
(実体験より)
2.良く聞かれること
(1)なぜ、その場所に買うのですか?
・自宅もしくは勤務先が近いというケースは問題なく、銀行と同じように「何かあったらすぐ見に行ける」という理由が安心感を与えます。
・ところが、縁もゆかりもない土地に物件を買おうとするならば、それなりに理由を求められることが多いです。
・本質的には、何か事故があってオーナーが現場に駆けつけても何もできないのですが、あくまでも「心構え」が肝心なのです。車で何分、電車で何分、という風に、現地までの所用時間を把握しておくことをお勧めします。
(2)自己資金はどれくらいですか?
・今、銀行にとっては現金を持っている人が一番強いそうです。1億円相当の土地を持っている資産家よりも、5,000万円の現金を持っている人の方が融資をしやすいのだそうです。
・もしも他の銀行に現金があるのなら、預け替えをすれば喜ばれます。そこまで持ち合わせがない場合、その収益不動産で得られる利益を定期預金にする、という提案でも歓迎されます。こういうことを銀行の方から条件提示されることもありますが、自分から積極的に伝える方がずっと効果があります。
・また、自己資金があるのにオーバーローンやフルローンなど、かなりのウェイトで融資を依頼している場合には、現金を手元に残して修繕費やバリューアップのための資金確保に備えたい、などの理由が必要になってきます。
・物件の収支が銀行の求める基準に達しない場合には、この部分の重要度が非常に高まります。
(3)なぜその物件を買うのですか?
・スバリ「利回りが良いから」などと答えてはいけません。事実はそうであっても、ただ「儲かるから」といういかにも投資を連想させるような言動は慎むべきです。銀行は投資のためにお金を貸すのではなく、事業に融資をするのです。
・理想的なのは、「地域に貢献したいから」。私は先の震災で大きな被害を受けた地元・浦安を、その復興に合わせて快適な住居を提供できるような事業を展開したい、と言い続けています。
・そこまで優等生ではなくても、「その物件で不動産賃貸業をやりたい理由」について、少しでも自分の想いを持っておいた方が良いです。
・そしてくれぐれも、「◯年所有したら売却するつもり」、などということは絶対にタブーです。銀行は、長期間お金を貸し続けることで利益を得ます。融資を始めて数年で繰上返済されるようならば、始めから貸さない、というスタンスになります。
●数値では表現できない部分をアピール
いずれにしろ、銀行はお金を貸すことが本業ですから、「貸したくない」とは思わないものです。
銀行員にとっては融資額=売上実績なのです。顧客を掴んだあとは、どうすれば融資部の承認を得られるか、という観点で質問します。その立場を理解され、数値では表現できないことを補足し、うまく稟議書が書けるように配慮して進めることがポイントです。
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