不動産投資の観点で「良い物件」の条件とは?
2015/09/06 よくある質問, 誰にも聞けない基本知識
近頃、不動産情報サイトに掲載されている物件や、不動産仲介業者さんから送られて来る物件情報を見ても、本当に良い物件が少なくなりました。
「良い物件」というのは
利回り9%以上
築20年以内のRC
現況で満室に近い
が条件の目安として挙げられます。
「利回り9%以上」は、返済金利が2%台でようやく収益が取れる、というギリギリのラインです。返済金利が4.5%なら利回り11%は欲しいですし、返済金利が1%台ならば、利回り8%でも望みがあるかもしれません。もちろん融資年数にもよって多少の幅はあります。
本来の利回りは10%以上が望ましいのですが、さすがによほどの事情がない限り、最近ではほとんどお目にかかることはなくなりました。9%程度でも「よし」としないと、もはや物件を取得することができなくなります。
「築20年以内のRC」は、融資年数が長く取れます。RCは法定耐用年数が47年ですから、例えば築20年ならば47−20=27年の返済期間となり、これくらい長く設定できれば、月々の返済比率がぐっと抑えられます。返済金額が低く抑えられるということは、それだけ手残り現金に余裕ができる、ということになります。
「現況で満室に近い」物件は、取得してすぐに大きな空室対策をしなくて済みます。空室対策にはいろいろありますが、部屋のリフォーム、設備のグレードアップ、賃料に関わるサービスなど、多くの経費がかかってしまいます。
逆に、空室が多い物件はその分、売りに出される価格が安い=利回りが高いケースがありますので、「高利回り」だと思って飛びつくと、実は空室が多くて余計な経費がかかることがよくあるので要注意です。
利回り9%以上・築20年以内のRC・現況で満室に近い
は最近の物件探しにおける基本の3条件と言えるでしょう。
更に欲を言えば
立地が良い
土地が広い
ファミリー物件
となればとても魅力的です。
「立地が良い」というのは、資産価値が高いため、売却するときも高値で売れる可能性があるし、客付けにも有利で、空室に悩まされる心配が少なくなります。
「土地が広い」というのは、経年に比例して値下がりすることのない土地の部分が多いため、建物の老朽化に関わらず、金融機関の融資額を決める評価が比較的高目になることが多いです。
更に建物が3階建て未満でエレベーターが無ければ、高額のメンテナンス費用が抑えられ、修繕のトラブルなど急な出費が抑えられることになります。
「ファミリー物件」が良い、というのは、あくまでも「現況が満室に近い」という前提ですが、つまりファミリーに人気が高いのであれば、退去の確率がより低く、安定した収益が長い期間にわたって見込めるからです。単身世帯向けであっても、立地が良ければ特に心配ないので一概には言えませんが、私の経験からはファミリー物件の方が比較的安定しているようです。
立地が良い・土地が広い・ファミリー物件
これが
利回り9%以上・築20年以内のRC・現況で満室に近い
と合致すれば、もう無敵ですね。
経営が安定するだけでなく、
金融機関もかなり前向きな融資を出してくれるでしょう。
ところがそのような物件は、みんなが欲しいと思うので、あっという間に売れてしまいますし、現金を多く持っている人の方へ優先的に流れていってしまいます。
この条件を柔軟に捉え、目の前の物件は
どれが弱点で、どうカバーしていけそうか、
ということを考えることが投資家の力量だと思います。
そういう客観的な判断指標を持っていれば、
感情に流されることなく、
数値に踊らされることなく、
正しい決断と行動ができるのです。