気軽にワンルームマンション投資を始めてしまう前に
「ワンルームマンションってどうですか?」
と聞かれることがあります。
実際には、その人の資金背景や投資方針によって異なるため一概には言えないのですが、一般的にワンルームマンション購入(「区分所有」といいます)は、
「気軽に始められますよ」
という調子の良いセールストークが作りやすく、手持ち資金が少ない初心者の方が手を出してしまいがちな
危険がいっぱいの案件です。
その理由を少なくとも3つ、挙げておきます。
1. 新築マンションの価値は、買った途端に下がる。
新築マンションの売買価格には、販売時の莫大な広告宣伝費が上乗せされているため、人が住んでしまった瞬間に、物件本来の価値は、あなたが購入した価格よりも大幅に下がります。
つまり、その物件を持ち続ける間、買った時以上の価値になる可能性が極めて低い、と言えます。
2. 空室になった時の収入はゼロではなく「マイナス」。
1室しか持っていないマンションが空いてしまうと、次に新しい入居者が入るまで、当然ながら収入はゼロになります。更に物件購入のためにローンを借りていたりすると、その支払いは全額自己負担になります。(毎月◯万円?おお、怖い)
加えて管理費や維持費は入居者の有無に関わらずオーナーが負担しなければなりません。
3.節税対策になるのは最初の1年か2年のみ。
「給与収入から支払った所得税が還付されますよ」という甘いセールストークをよく聞きますが、マンション1室の収入から必要経費としてマイナス扱いになるのは、不動産取得税と減価償却費のインパクトが大きい最初の1、2年だけ。
3年目以降は恐らく収入が増える分、きっちり税金を支払うことになるでしょう。
上記3点の結果として、買う時にはセールスマンの奨めに乗って契約したものの、思うように収益が上がらないということでマイナス収支のまま売却せざるを得なくなる、
というケースが最も多いのが
ワンルームマンションです。
従ってワンルームマンション投資は、
銀行からの融資を受けずに現金で買える人
に向いています。