マイナス金利で不動産が暴騰?
2016/02/23 業界裏ばなし
2月22日夕方、会社から帰宅途中の駅のKioskで
日刊ゲンダイの見出しが目に入り、
思わず買ってしまいました。
不動産価格が暴騰?
暴騰とは、急激に、べらぼうに価格が上がることですね。
その記事を確かめてみるとポイントは次の通り。
1.低金利競争が加熱。
杭打ち不正問題、タワーマンションの節税規制、外国人投資家の日本離れなどにより市場にブレーキがかかるとみられていた不動産業界に異変。
日銀の黒田総裁によるマイナス金利政策発表で、銀行による住宅ローン金利引き下げ競争が始まった。
2.ローン貸し出し金額が過去最高
2015年の不動産関連の新規貸し出し高はバブル期を越え、26年ぶりに過去最高を記録。
3年半前にマイナス金利を導入したデンマークでは、住宅ローンを借りると金利が0になるだけでなく特典がもらえるようになった。日本はここまでいくか?
3.バブル再燃の可能性
金利が下がり、融資額が増えると、不動産の価格が上がる。
東京と大阪の中心部では特に局所的バブルになりやすい。
すると周辺エリアにも影響を及ぼし始める。
住宅ローン減税の制度が3年後に終了することと併せて、
急にマンション購入を検討し始めるサラリーマンも出てくる。
これがますます不動産価格上昇に拍車をかける。
以上3点がポイントでした。
低金利政策によって
→銀行が日銀にお金を預けないようになる
→他に融資先を探す
→融資競争になって金利が下がる
→借りる人のハードルが下がる
→不動産を買いたい人が増える
→物件価格が上がる
というのが市場の流れです。
実際のところ、今日(22日)は三菱住友UFJ銀行が普通預金金利を
年0.020% → 0.001%
にすると発表。
すでに三井住友とみずほも同じ金利で過去最低水準になりました。
0.001%って、100万円を1年間預けて利息10円ということです。
これではみんなが預金ではなく、
他の投資を考えるようになる可能性が高いですね。
銀行側も、日銀に預けてもお金を取られるだけ(=マイナス金利)だから、
融資に回した方が良い、ということになり、積極的に貸し出しを増やすようになります。
「借りたい人」と「貸したい人」がどちらも積極的になると
商売の原理からしてモノの値段は上がりますよね。
それが度を越したのが「バブル」。
そしてあっという間に誰も買わなくなり、
やがて適正価格になる
すると物件を持っている人は売るに売れず
借りた多額のお金だけが残る
ということになります。
適正価格を見る指標の一つに
「新築マンションを賃貸に出した際の平均利回り」
があり、
都心部では5%が“健全値”だそうです。
現在はもう2%台半ばにまで下がっており、
平成バブル時につけた1%台が
もうそこまで来ているようです。
こうなってくると、賃貸経営で利益を残すのはかなり難しく、
値上がり後の売却を考えて資産を確保する、というスタイルが主流になってきます。
しかし、売り時を間違えると大きな損をすることもあるのです。
銀行がお金を貸してくれるのはありがたいことですが、
物件価格が上がってしまっては
不動産投資家にとっては
利益が減るばかりなので
痛しかゆし、といったところですね。
購入するだけでなく、
その先どう運用していくか
をますます考えておかないと
判断を見誤りそうなので要注意です。
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不動産投資家の「嫌われる勇気」とは?
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