ブログ

新築木造アパートがよく売りに出ているけど、気をつけて!

  2015/10/31    投資の考え方

最近は利回りの高いRC(鉄筋コンクリート造)のものがなかなか売りに出されず、大体7%台、よくても8%台になって来ています。たまに9%台があっても、築30年以上などのかなり古いものばかり、という市場状況です。

そんな中、不動産仲介業の会社からメルマガ等で案内されるものに、新築木造アパートが目立つようになってきました。利回りは8%から9%ですが、新築であれば当分の間、修繕費もかからず、何より客付けに対して「新築」という強いブランド力を発揮できます。

そして需要の多いエリアの新築であれば、金融機関もまだまだフルローンオーバーローンを出してくれる可能性が高いため、不動産会社としても売りやすい物件としてランクインしてくるのだと思います。

 

一方、私は昨年、2棟の木造アパートを売却し、現在はRCを3棟所有していて、今なお買い増していこうと日々努力していますが、融資を引けるほど充分な収益を上げられるRC物件にはなかなか出逢えないので、つい「新築木造でもいいか」と思いがちです。

そんな自分へ自戒の念を込めて、自らの経験から新築木造アパートのリスクについてお話ししておこうと思います。

1.資産価値が急激に下がる能性がある。

新築物件は大抵、売り出す時に広告費をかけられていますので、その分価格に上乗せされているものが多いです。つまり、純粋な資産価値+αで売価設定されているので、購入後の資産としてはその分、目減りします。

フルローンやオーバーローンで融資を受けた場合には、当分の間、資産よりも残債の方が上回りますので、その分、負債を抱えていることになります。

こうなると次に収益物件を購入する際、金融機関から「負債の多い人」と見なされ、なかなか融資を受けられなくなってしまいます。

 

2.購入時の家賃はほぼ維持できない。

購入するときは「新築」なので、家賃設定も高く、売価が高くてもそれなりの収益が見込まれるため、必然的に利回りが高く見えます。しかしながら、最初の入居者が一旦退去してしまうと、次に募集するときは「新築」とうたえないため、家賃を維持するのが難しくなってきます。

そのアパートに希少価値があり、家賃を下げなくても人気が高い場合には大丈夫かもしれませんが、もしも周辺に同じようなアパートが後から建ってくると、その新築の方が安い家賃に設定されたりして、結果的に市場全体の家賃が下がってしまう恐れもあります。

 

3.空室が出たときのインパクトが大きい。

これはアパートというよりも規模の問題で、8%〜9%程度の物件で、部屋数が6室〜10室程度の規模だと、1部屋空いたときにキャッシュフローに与えるインパクトが大きくなります。

例えば1部屋6万円の部屋が6室あると月36万円の収入がありますが、1部屋空いてしまうとその分の家賃収入(6万円)が無くなる上、クリーニング費用(約2万円)と新規募集の広告費(約6万円)と合わせておよそ14万円が飛んでいきます。つまり、いきなり約4割程度の収入減となってしまいます。

すぐにまた空室が埋まればよいのですが、これが2ヶ月、3ヶ月と決まらない場合には、さらに毎月6万円ずつが予算から無くなっていき、胃の痛む思いをしなければなりません。

 

しかしながら、デメリットやリスクばかりに目を向けて、不安だけを煽っても仕方ありませんし、それではどんな物件も買えなくなってしまいます。

不動産投資は何より「目的」が大事ですので、短期間にどんどん物件を増やしていくつもりがなく、じっくりとアパート経営を行って少しずつでも実な収益を得たい、という目的の場合には、新築アパートも良いかもしれません。

最近は10年間家賃変更なしのサブリース(満室前提での一括借り上げ)を提唱する不動産会社もありますので、そうすれば上記のリスクもある程度回避できます。

絶対にこの物件を買ってはいけない、などというものは存在しません。自分が投資家として何を目指しているのかを日々意識し、市場環境の変化に柔軟に対応していく心構えも大切です。

 

頭金ゼロで7億の資産をつくる
桜木不動産投資塾

のホームページはこちら

  関連記事