物件売却時、売価と利益をどう考えるか? その2
2015/10/28 投資の考え方
昨日は、売却時の価格設定と利益の考え方について、案1をお伝えしました。
案1:買った時の価格と、売った時の価格の差分で考える
本文はこちら。
そして今日は、案2についてお話ししたいと思います。
案2.売却時の残債をリセットする、という目的で考える
購入時の金額よりも高い金額で売れた時、その差分が利益になるという考え方はとてもシンプルですが、その分が儲かった、というのは果たして正しいのでしょうか。
また、購入時に5,000万円で買い、売却時に4,900万円で売った場合、100万円マイナスだった、という考えた方は正しいでしょうか。
他の商品と同様に、もしも現金で売買が行われているのであれば、上記の考え方でほぼ正しいと思います。しかし、収益不動産のほとんどは、融資を受けて購入するものですから、残債を基準に考えることも大切です。
●売却目的によって売り方が変わる
実際、私の場合には、なかなか儲からない木造アパート2棟を昨年売却しましたが、その目的はキャピタルゲイン(売買価格の差分による利益)ではなく、
1.これ以上マイナスになることを防ぐ(ロスカット)
2.残債をリセットする
の2つが目的でした。
具体的には、5,300万円の木造アパートを、諸費用込みで5,600万円のオーバーローンで購入し、5年所有した後の売却時の残債は4,700万円でした。
この4,760万円をすべて返済して、残債をゼロにするためには、
4,700万円に売却時の仲介手数料ほか諸経費(約200万円)を上乗せして、
4,900万円で売却することが必要です。
つまり売価4,900万円が、残債をリセットするための「最低価格ライン」と言えます。
結果、この物件は5,000万円で売れました。
5,000万円から諸経費200万円と残債4,700万円を引いて、100万円が残ったわけです。
●ここから重要
従って、私はこのアパートを購入する時、1円も手出しが無くオーバーローンで取得し、5年間所有した後、売却して100万円の現金が手元に残ったわけです。
購入時の価格:5,300万円
売却時の価格:5,000万円
でも利益はマイナス300万円ではなく、プラス100万円。
5年間のローン返済は家賃収入でまかない、私は全く出費をしていません。
そして残った負債を売却によってゼロにし、かつ100万円の余剰を残しました。
これが、ローンを使って物件を購入することの、一つのメリットですね。
でも、5年間の不動産事業の結果として、果たしてこの100万円がすべて、と言っていいのでしょうか。
その答えは、明日に続きます。
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